月別アーカイブ: 2005年9月

プリセッション

プリセッションを歳差運動や、みそすり運動と訳した日本の物理学者は、
歩行によってわれわれは常に地球と相互作用しているとは考えていなかった。
天文学にのみに有用な概念であった。

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自転車とジャイロ

キリコの絵画のように月光の下で、神之瀬の森を蛇行する川岸を自転車で散策する。そのとき車輪が川面に投影される一瞬のゆらぎが好きだ。

自転車はプリセッション(歳差運動)を経済的移動方法に変換する装置だ。
宇宙ステーションにも姿勢制御(=ジャイロ)で利用さているように、自動車のステアリングにも直進性を高めるためにプリセッションが利用されている。
プリセッションとは、自転する地球とその重力が、すでに車輪が持っている回転軸に対して垂直方向への回転を加えようとしているのである。
運動する物体が他の運動する物体とリモートで相互作用するシステムは
人工物であろうとなかろうと太陽系では無料でインストールされている。

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偏光

コミュニケーション世界において、エコロジー派が扱う「自然」とは、あまりにも視覚的である。意味を考慮に入れない符号の体系が歴然と存在するにもかかわらず、エコロジーは確実に緑帯のスペクトルに偏光されている。
「記号−意味」化されすぎたエコロジーは、「広告」と「戦争」に通底している。
映画から俳優が消えたように、戦争ニュースから死体が消える。(これは、死体から石鹸を製造するより残酷な編集行為である。フォトショップは映画産業よりは軍事技術の副産物である。)

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「未知」と「宇宙」

社会科学において、情報は「発信者または受信者にとって何らかの意味を持つもの」として扱われる。「記号−意味」化された情報が世界のコミュニケーションを形成している。コミュニケーション世界において、「記号−意味」化された情報をもたない領域は「無意味=ナンセンス」と呼ばれる。
自然科学において、情報は意味を考慮に入れない符号として扱われる。例えば、存在しない物は数えられないという概念を打ち破ったのが、ゼロの発見である。
「宇宙(Universe)」には、この既知なる符号のすべてが含まれる。

一方、東洋のメタフィジクスにおいては、意味を考慮に入れない符号さえも存在しない領域は「無(Nothing)」として扱われてきた。「未知(Unknown)」とはこの「無」を含むすべてである(一方、コミュニケーション世界における「未知」とは、「記号−意味」化された情報の不在だけを扱っているのである)。
21世紀のもっとも新しい「自然(Nature)」の定義では、この「未知」と「宇宙」を含む。この「自然」という概念の劇的な変容は、ことごとく科学的原理の発見=既知なる符号間の新たな相互関係によってもたらされたものである。

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情報と原理

ノーバート・ウィーナによれば、情報とは
「われわれが外界に適応しようと行動し、また調節行動の結果を外界から感知する際に、我々が外界と交換するものの内容」である。
情報編集という人為的なシナリオを超越したとき原理の発見に遭遇するチャンスがくる。
原理は情報を劇的に減少させ物事を高度に要約する統合的な存在と見なされる。

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99.9%

エネルギーは増えも減りもしない。
人間には本質的にエネルギーを作り出せないし消費もできないという物理学の発見がいまだに理解されていないうえ、情報は本質的に増えも減りもしないことも理解されていない。

情報には重さがない。
自然科学において情報とは、「物質・エネルギーの時間的・空間的・定性的・定量的パターン」のことであり、情報は物質・エネルギーと並んで自然を構成する相補的要素である。
99.9%の人間はこの相補的要素の推進と消費にひたすら挑戦しているようだ。

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情報幻想

情報は決して船のように一方向には推進されない。
情報推進は、21世紀の行政機関の幻想の一つである。
情報はエネルギーのように拡散するのだ。
だから、物質のように編集されなければならない。
自由な生産性から余剰をスピンアウトさせる情報自体も編集である。
情報は風を間切るヨットのように源流に向かって遡上できる。
さもなければ、誘導され操作されるだけである。

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未知と既知のテスト

ブラックボックステストとは、システムの内部構造とは無関係に、外部から見た機能を検証するプログラムのテスト方法。
ホワイトボックステストとは、システム内部の構造を理解した上でそれら一つ一つが意図した通りに動作しているかを確認するプログラムのテスト方法とされている。
このテスト法の定義に従えば、地球温暖化は、
世界権力構造による化石埋蔵資源の数世紀間の燃焼実験による
完全なブラックボックステストである。

一方、エコロジー運動の人々が熱心に推奨する方法はホワイトボックステストではない。

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非対称性

二酸化炭素の増加率と地球温暖化には対称性があると考えられている。
しかし、植林によって自然林を再生させて
二酸化炭素を減少させ酸素を増加させても、
地球温暖化は防止できないのは非対称的である。
つまり、非鏡像的だ。むしろ隠れた相補性が多すぎる。
ブラックボックスとホワイトボックスの入れ子なのだ。

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