日別アーカイブ: 2005年11月6日

シミュレーション

真のシミュレーションとは
観察者と無関係な客体の動的な過程ではなく、
観察行為が客体に働きかけた場合の相互作用の結果である。
少なくとの素粒子の存在証明では、
物理学者自身の観察行為を除外しては成り立たない。
見ること自体、つまり粒子の衝突による破壊実験には
物理的エネルギーを必要とするからである。

素粒子の検出装置である霧箱は、観察行為が与えた
相互作用の軌跡を表す最初のシミュレーション装置である。
過飽和の気体に電気を帯びた粒子が高速で物質中を通過するとき、
その粒子は近くの分子に電気力を作用させ、
これらの分子中の電子を叩き出してイオンにする。
その粒子の飛跡に生じたイオンを核にした液化が霧粒の列として観察される。

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