J・ P・モルガン

人間が呼吸する空気は、至る所にかなり豊富にあったので、空気の利用は簡単に独占できなかった。
また、池や湖、川、小川そして井戸は無数に存在したので、料金メーター付きの給水システムを広範囲に独占できるビジネスにすることは不可能だった。
物理的エネルギーの発生機と、料金メーターで計量されるエネルギーの流通・遮断システムを開発・製造・設置し、そして支配した者が、最終的に国家経済を支配できるという認識に基づいて行動し実際に成功したJ・ P・モルガンは、20世紀の経済的権力機構の最初の巨人となった。彼は資産を国外に隠すことができる最初の国際金融業者だった(実際に1913年に死去したJ・P・モルガンの遺産は驚くほど少なかった)。その上彼には、電力会社と銅山および銅から製造されるあらゆる電気製品の製造には必要な労働力が最小限で済むため、最大限の利益をもたらすビジネスとなることがわかっていた。J・ P・モルガンは21世紀においても有数の国際的金融機関である。
しかし、電力会社と電気製品の関係はネットワーク会社とパソコンの関係に置き換えられ、21世紀の経済的権力機構の巨人は完全に入れ替わった。

地球上の全企業のなかで、株式時価総額がマイクロソフト社に次いで高いのは、金融業者GEである。金融王J・P・モルガンの直系は、投資銀行としてモルガン・スタンレーを設立し、ゼネラル・エレクトリック(GE)、ゼネラル・モーターズ(GM)、USスチールなど、アメリカの巨大企業の重役として君臨している。

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