日別アーカイブ: 2005年12月2日

社会組織の最小単位

「郷に入っては郷に従う 」とは、新しい土地に来たら、その土地の風俗・習慣に従うのが処世の法のことである。その法の起源は律令制であり、地方行政における社会組織の最小単位であった。21世紀の農村と都市の対立は増大している。なぜならこの郷が、地方自治の要である単位として生き残っているからである。郷の構成員にも異なった郷の間にも互いに情報を共有するシステムがない。まして情報の公開と共有が望めない人口1万人以下の中三間地域は無数にある(それらは財政難を理由に段階的に合併され続けている。銀行の統廃合と同じように)。

征服するには領土を分断しなければならなかったが、21世紀の情報分断型として、新たな自由主義経済モデルが構築されようとしている。
そのアジェンダに<Think global,Act local. >が引用されるのは偶然ではない。
この命令形に潜む「征服するには分断する」回路を読み取らない限り、グローバリズムは加速するしかないだろう。市場の原理主義は、グローバリゼイションという最大規模の球状の「郷」を再構築するために処世の法ではなく経済学を装って考案され、政治的支配の限界を覆い隠した。

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