アジア的自給自足2

個人の庭先にたわわに実をつけるオレンジを収穫するカリフォルニア人はほとんどいなくなった。梯子をよじ登ってまで無農薬のオレンジを収穫するよりも、日持ちのするスーパーマーケットのワックス付きオレンジを好むのではなく、食べるものはお金で買うという条件反射を徹底化した姿であり、食糧を自家栽培する行為は、共産主義的ダーチャ、すなわち生活水準の低下を意味するまでになったのである。
人類が飢餓に苦しむ時代が長かった故に、人類には肥満に対する防御が形成されなかったように、食糧のすべてではないにしてもその一部を自家栽培する行為を閉ざすと、多くの場合は徐々に精神のバランスを崩すという単純な仕組みは隠蔽されてきた。
ガーデニングが支持される理由は、西欧の富裕層の趣味を輸入したカルチャーであり、家庭菜園の支持層が無意識的にアジア的自給自足に回帰しているのは、歴史的に構造的に理解できる。  Y.K

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