超国家企業がお金を完全に独占し、法律上の抽象的存在となった巨人は、
人々の生命をどのように保護しながら育んでいくかという基本的課題をまったく無視した存在になったのである。
裕福な勝者を自負する市民社会の政治的指導者ばかりではなく、
勝者を志向しはじめる若者たちの生活が、たいていエントロピックになるのは、
惑星地球上での生命活動の目的が巨人のミニチュアでしかないからだ。
R.B.Fが1961年に『宇宙船地球号操縦マニュアル』で、
メタフィジクスの目的論を明確にし、
そして晩年の1981年に『クリティカル・パス』で再構成して示したように、
お金は交換の媒介であり現金会計システムに過ぎない。
将来にわたって人々を保護し、育み、教育し、
そして宇宙に適応させるための組織化されたノウハウこそが富である、
ということを思い出す必要がある。 Y.K