天球儀と地球儀

天球儀は、地球からみた外部ではなく、閉じた球面に映る相互関係として描かれている。
地球から観察されるパターンを回復するには、つねに天球儀全体の鏡像反転という操作を必要とする。神の目から描かれた歴史が先行している。神は球体宇宙の外部に位置することができる。

一方、15世紀のイタリアの地理学者パオロ・トスカネリ地球球体説から作成された最初の地球儀は、天球儀のように鏡像として描かれていない。地神の目は、球内部から見た外部、つまり地上よりも下方には存在できない。

クリストファー・コロンブスが 1492年、大西洋をインドを目指してパロス港を出航した。この時の地球議は外部からみた地球儀であった。実用的な航海情報を描いたのではなく、いわば神の目から描かれた歴史が依然支配しているたと考えるべきだ。

なぜなら、その約1世紀後の1603年に出版された測天図で、星座のパターンを見える通りの星の配置、つまり地球から外部を見る観察者の視点が最初に描かれたからである。

ティコ・ブラーエの観測資料はヨハン・ケプラーによって整理され,ケプラーの法則発見の重要なクロノファイルとなった背景には、地球から外部を見る観察者の視点が天文学にもたらされたのである。  Y.K

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