田植えの季節がやってきた。田植えの前にはトラクターで田んぼを平らにする代かきが行われる。
衛星写真をみても、海岸部はひどく汚染されている。
http://sweb.nctd.go.jp/senmon/shiryo/nougyou/j/j-1/j-1-2/j-1-2.html#(6)anchor(秋田県大潟村の稲作過程の様子を参照)
河川から海岸部への泥水の流出が色彩変化から確認できる。
田んぼを撹拌するだけではなく、
除草剤などの農薬によって、一挙に源流付近からの河川の汚染は加速する。
この時期の河川の浄化機能は死に瀕した状態に近い。悪臭の原因だ。
高性能な浄化機能を備えた水性動物や植物にとって、
もっとも過酷な環境となる。
泥水の流出がまったくない田植えの方法は、
『自然農への道』(川口由一著、創森社)によって確立されている。
代かきという行為が存在しないからである。
本来、田んぼの水はつねに、多様な生物によって浄化されて透明であり、
稲の成長によってもっとも効果的に浄化される。
トラクターは、森林を伐採した後の広大で平坦な小麦畑を耕作するためにつくられた機械であり、
水稲には、不適切で高価な道具である。
(その重量だけで田んぼのシステムは破壊されている。)
経済的で効果的な真のテクノロジーが、トラクターのように
お金では買う前から既にデザインされていることに
無知だった時代は終わろうとしている。
高価なトラクターは大地だけではなく、農家の家計までもほぼ破壊した後に
はじめてわかりかけてきたのである。
そして、もう一つわかりかけてきたのは、
農業を持続させる真のテクノロジーを理解できる人は、
農業を生活費を稼ぐ手段にした人々ではないという事実である。
言い訳ばかりで自らの思考を声にしない農業専門家たちは、
この半世紀間、裏山に黙々と杉を植林した人々である。 Y.K