千キロのドライブから帰ると、背戸の桜は散っていた。
春風がいっせいに新緑を誘い出し、
鳥たちもテリトリーを忘れて水浴びをしている。
緑の葉の香りが漂う満月の夜は、
めずらしく焚火を消そう。
それを合図に、森の獣たちも一緒に吠えはじめる。
夜風が吹くたびに、熾火が星々のように揺らぐ。
理由もない喜びに満たされる
この電磁誘導に逆らうことなど、
誰もできないだろう。
そして、この季節を虚ろにしか記憶できないのは
なんという疑い深い存在のなか。 Y.K
千キロのドライブから帰ると、背戸の桜は散っていた。
春風がいっせいに新緑を誘い出し、
鳥たちもテリトリーを忘れて水浴びをしている。
緑の葉の香りが漂う満月の夜は、
めずらしく焚火を消そう。
それを合図に、森の獣たちも一緒に吠えはじめる。
夜風が吹くたびに、熾火が星々のように揺らぐ。
理由もない喜びに満たされる
この電磁誘導に逆らうことなど、
誰もできないだろう。
そして、この季節を虚ろにしか記憶できないのは
なんという疑い深い存在のなか。 Y.K