月別アーカイブ: 2007年7月

動物

動物を見ていると優しい気持ちになる。
カエルは犬ではない。猫はそのことを疑問に思っていない。
しかし、みんなそれぞれ雨のことは気にしている。
それは神秘な関係だ。    Y.K

温泉

30分程度のドライブで下山すれば温泉がいくつかある
そんな山脈の真ん中に住んでいる。
この山脈ではニュースには取り上げられない程度の
地震がいつも小刻みに発生している。

地殻の構造プレートの運動エネルギーは
地殻に含まれる放射性元素の崩壊によって発生する
放射エネルギーが源泉である。

天然の温泉は、その小さな天然の原子炉の核分裂のメカニズムが発見されるまでは、
いわゆるマグマの<地熱>によって温められた地下水が
自然に湧出するもの考えられていた。
宇宙からよりも大地からの放射線量が多いのは、地球内部の元素崩壊による。

天然で湧き出てくる温泉以外の投機的なボーリングによる温泉開発は
お湯の排出によって河川や地表面の温暖化を加速しているばかりか、
地下に眠っていたメタンガス(二酸化炭素の24倍程度の温室効果)を
大気中に常時排出する場合がある。
京都議定書には温泉開発の禁止は含まれなかった。

温泉の地熱によって癒されることばかりを求めても
バイオスフィアにとって安全とは限らない。   Y.K

夏休み

今後発生する最悪の気候変動で
母なる惑星は、相当なダメージを受けるが心配はいらない。
人類を除いたバイオスフィアは生き残れる。

バイオスフィアには、太陽系にこれまで十分適応してきた
40億年の記憶とテクノロジーがある。
北極とグリーンランドに再び氷ができるまでの
久々に静かな、しかし最初は苦手な暑すぎる
20万年間の夏休みがある。           Y.K

譬え話

譬え話のうまい人は、文学者に多い。
幾何学のいいところは
譬え話をしなくてもよいことだ。
もっとも単純な思考システムを求めるには
譬え話では退屈だ。         Y.K

考え方

考え方を変えるのは難しい。
とくに他人の考え方を変えようとすると
誰かが血を流さなければならないだろう。

このことに比べれば、地球環境を変えることは
不可能なことではない。
しかし、重要なことは、
それがもはや手遅れであることである。

なぜなら、
自分の考え方を変えることすらできなかった
この星には<不都合な寄生体>にすぎなかったからだ。     Y.K

実験と経験

実験(experiment)と経験(experience)は
ex(=fully) = 十分に経験するという同じ語源をもっている。
エキスパート(expert)は専門家のことである。

真実の証明には
誰でも再現可能な方法が採用される。

再現可能な方法を考案するには
様々な実験と経験が必要である。
たいていの人は時間がないので、
公理という既製品で間に合わせる習慣がある。
科学者もその例外ではない。
21世紀になって、突然それらの既製品が広範囲でがらくたになってきている。
しかし、真実の証明には
実験(experiment)と経験(experience)の
もう一つの語根であるperil、
つまり、危険と冒険が介在する。
21世紀は、最後の実験と経験の時代になるだろう。   Y.K

個人的な願望

自由主義経済圏は、私企業の経済圏の言い換えである。
繰り返される広告によって、個人的な願望は、
個々の頭蓋に守られ、個別の柔らかい皮膚でくるまれた有機体による
無限の選択肢の上に置かれているという
錯覚をつくりだしてきた。

その有機体の消費を加速させても、
惑星の再生的な経済成長はできなかった。
この惑星を錯覚の手段にする歴史は
遅かれ早かれ閉じられるだろう。
カオスには物理的、超物理的な決断期がある。

しかし、それに気づいた人は幸運にも知性的であったが、
不運なのは気づくのが遅すぎたという
圧倒的な反カオスをどう打ち消せるのかである。
決断するための実験に基づいた証明を必要とする。       Y.K

消えたミツバチ

アメリカの農場からミツバチが突然消えた。
携帯電話などから発せられる電磁波が
ミツバチの方向感覚を狂わし、
結果として巣から出たまま戻ることができなくなったといわれている。
ミツバチの他花受粉には、コストがかからなかったが
これからは農薬以上に高価な商品になるだろう。

そして日本では田んぼのカエルが激減している。
私が住んでいる穀倉地帯でも
昼となく夜となく続くカエルの合唱は急に途絶えている。
稲作にカエルは不可欠だ。
これらは偶然か、意図かは別として、
都会で毎日飲料水を買うように
やがて農業でも生きるためにミツバチやカエルを買うことは、
常識になるだろう。

このまま局所的な危機毎に、エコロジーを理解していくならば
もっとも高いコストを支払い続けなければならない。
エコロジーは産業社会にとって最大のブラックボックスだ。       Y.K

生物圏保護

エコロジー(生態学)は最初の包括的学問である。
エコロジーは相互作用だ。岩と空気と水と微生物と葉緑素と、
海と氷と・・・月と太陽と・・・あなたと私の。

しかし、この10年間このエコロジーの定義から、
多くの科学者は、地球温暖化を仮説理論として排除してきたばかりである。

個人的な判断や周囲の少数の人々の感情だけに束縛されてきた結果、
宇宙の相互関係とは切り離された
別のシステムの構成員という繋がりを優先させる傾向が強く生き残っている。

エコロジーという概念が生まれて一世紀以上経過したが、
生物圏保護の概念が生まれてから、まだ半世紀も経過していない。
そして、われわれが生物圏に保護されている概念の理解は始まったばかりだ。

他と切り離された独立した事象や経験は存在しない
という論理的帰結がむしろ未知(unkonown)を含む結果となった。
われわれが観測しているのは地球そのものではなく、
われわれのエコロジーの定義に映し出された地球の姿だ。     Y.K