月別アーカイブ: 2007年10月

裏庭のエデンドーム

9年前、東京の実家の裏庭に制作した
緊急災害用の直径6.5mの超軽量ジオデシックドームを
グーグルマップで再確認してみた。
それは無対称な都市では真珠のように異質な光をまだ反射していた。

テフゼルを外面に、遮光の白色フィルムを内面に使用した
最初の2層のエデンドームの防水性と耐久性は
高温多湿の日本でも完全に証明された。

このことは友人のJ・ボールドウィンに伝えた。
(JBは『バックミンスター・フラーの世界』(梶川泰司訳 美術出版社 2004)
の著者であり、個人用の超軽量ジオデシックドームの歴史的な先駆者である。
イギリスのエデンドームは JBの第2世代ジオデシックドームであるエデンドームの
コンセプトから触発されている。

第3世代ジオデシックドームである高床式のオクテット・トラスの床を備えた、
本体総重量75キロテンセグリティ・ドームは、最近私の倉庫まで
分解移送されたが、懐胎期間を終えたわけではない。        Y.K

保障期限

日本酒を飲みながら
古代のバイオエタノールに対応した私の身体は
秋の天の川に魅入る。
焚き火の輝きで流れ星は数えられない。
ここには夜が残っている。

人間はつねに二酸化炭素を排出する。
この気楽なデザインの保障期限はあとわずかである。 Y.K

農薬

農薬の化学原料は、地球上の天然資源から合成されている。
合成可能な有機化合物は
しばしば自然界には存在していない物質となる。

こうして、科学はより新しい機能をもった農薬をつくり出す。
科学者も農民も自分の家族を除いて使うなとは言わないのは、
彼らが自然界というメタフィジクスに属していないからだ。     Y.K

メタフィジクス

原理はどれも単純だ。
しかも宇宙は原理を大量生産している。

自動車の大量生産と異なるのは、
互いに異なる鋳型から原理が生成され、
さらに、
子どものレゴ(Lego)と異なるのは、同型ではないのに、
互いに組み合わせることができることにある。

この驚くべきメタフィジクスを
教育する学校が存在していないことである。   Y.K

陸稲戦略

トウモロコシで車は走る。
最近の新車は既に
バイオエタノールに対応したエンジンと搭載している。
その結果、トウモロコシの価格は上昇した。

エタノールは石油や天然ガスから合成することもできるが、
バイオマスエタノールの原料は、理論的には
炭水化物を含む生物資源であれば何でもよい。
ただし、今生きている植物に限る。

先日農協が米の買い取り価格を急激に減額して
農民が激怒しているニュースを見た。水稲は強奪されつつある。

世界の稲作は陸稲が中心である。
稲作はアメリカ大陸が独占するだろう。
お米の販売価格もやがてトウモロコシのように上昇するだろう。

お酒で走るエンジンはできている。
こうしてお米もまた
酪農用の飼料か、自動車の燃料に変換されていく。

これは明らかに地球温暖化対策を口実にした
稲作文化の破壊工作である。 Y.K

流体地理学

都市には
魂を森に置いてきた民と
砂漠に置いてきた民が無数にいるだけだ。
都市に魂を置いてきた旅人はいない。

都市では
人々は互いに樹木のように
寄り添っていながら、
砂のように流動する。

森や砂漠は固体ではない。
森も砂漠も
移動した結果だ。
移動は生命のパターンである。それらは流体的コロニーを形成する。

流体地理学を葬った固体的建築空間は
人々を都市で堰き止めてしまった。
(過疎や過密は宇宙には存在しない)

流体地理学は
森の民も砂漠の民も互いに知らない。

流体地理学は
魂を宇宙に置いている民の
内部と外部(=Twoness)から形成されている。 Y.K

退化したテクノロジー

<分けられない>テクノロジーは
分かるテクノロジーからは推測できない。

自然は<分けられない>テクノロジーからなる。
たとえば、<分けられない>ことが分からないほど
退化したテクノロジーで農業をしてきた。

根源的なことはつねに<分けられない>。      Y.K

うぬぼれ

宇宙について知っていることはほんの僅かである。
実は、宇宙は永遠に分からないことも証明できない。

エコロジーを知らない人はいなくなった。
しかし、エコロジーは宇宙のようにまだ分からない。

エコロジーが分からないのは
<分けられない>からである。

エコロジーの危機の一つは
エコロジーが専門分化できないことに関係する。

神秘をエコロジーに置き換えただけ
うぬぼれてきたのである。 Y.K