宇宙の標準速度は、
シャトルでの宇宙旅行の速度より約5万倍も早い。
相対的に言えば、人類はほとんど静止した宇宙観しか持っていない。
地球温暖化のシナリオは、
高齢化した静止宇宙観の終焉としては
かなり動的であるが、
ガソリンも水も高価すぎるから、
エコロジーを口実に人類は初めて移動を控えている。 Y.K
宇宙の標準速度は、
シャトルでの宇宙旅行の速度より約5万倍も早い。
相対的に言えば、人類はほとんど静止した宇宙観しか持っていない。
地球温暖化のシナリオは、
高齢化した静止宇宙観の終焉としては
かなり動的であるが、
ガソリンも水も高価すぎるから、
エコロジーを口実に人類は初めて移動を控えている。 Y.K
読書体験は経験の一部にちがいない。
しかし、この経験から生まれる知識に期待するよりも、
思考することを選ばないことが、
読書の習慣を生んでいる。
自らの思考の履歴を読むことは
読書に優る試行錯誤だ。
それはクロノファイルと呼ばれている情報整理学だ。
クロノファイル型の思考錯誤は、
もっとも効果的な試行錯誤を生む。 Y.K
「他との完璧なコミュニケーションは、
遅かれ早かれ、他者の、そして自分の創造の独創性を殺す」と
レヴィ=ストロースは言う。
これを他の事象で演繹することに無関心ではいられないだろう。
つまり、テンセグリティのプリセッショナルな外力分散が
構成要素間の完璧な相互作用(=ミュニケーション)から生じている以上、
遅かれ早かれテンセグリティの閉じたネットワークが
自らの構造の自律的な独創性を殺すことになる。
という奇妙な結論に達するだろう。
人間に創造の独創性があるとする世界観、
または人間性自体の観察から自然を(つまりシナジーを)、
学ぶことはできない。 Y.K
経験は誰にも貸せないまま、
ぞんざいな扱いを受ける非物質だ。
経験は科学にとっても特殊な未処理の素材である。
しかし、この素材なくして原理の一般化は生まれない。 Y.K
基本的な自己規律こそ、
もっとも現実的な教育的プロセスである。
しかし、両親たちは自己規律を学校に託してしまった。 Y.K
基本的コミュニケーションは、
思考すること自体で形成されているにちがいない。
音声や言語よりも迅速にかつ現実的に。
同様にシナジェティクスのモデル言語はより思考に接近できる。
つまり基本的なコミュニケーションが効果的に形成されている。
しかし、社会集団によって形成される
文化なしでコミュニケーションできないし、
その文化の恩恵を得ないで言語は形成できないという前提で
子どもたちはなかば強制的に学校へ行かされている。 Y.K
こどもの創造力をのばす教育がますます重視されている。
しかし、人間が創造性について言及できるのは、
原理の利用において
予測できない独自な方法を発見した場合に限られる。
そしてその原理とは先験的宇宙に属する。
創造性は宇宙の統合性に対して先験的である。
こどもの「創造性を開発」する人々は、
先験的存在を無視しただだの詐欺師である。 Y.K
人間はつねに環境の中心にいると思い込んでいる。
まるで電子で囲まれた原子核のように。
自分を取り巻く情況が環境と定義されているに過ぎない。
囲い込まれていることが観察できないにも関わらず。
環境だけから、本質的な全体条件を扱うことはできない。 Y.K
脳は睡眠中に異なった情報を休みなく整理しているように、
PCもスリープしながら黙々と
ハードディスクから項目を無差別にリストアップしている。
使われない関係性は増大するばかりだ。
ユーザは夢を語らなくなったばかりか、幻想さえも不要になった。
意識と無意識の間を外部に依存してはいけない。
外部をつくり出すまえに、星になってしまう。 Y.K
構造工学では、ある構造物の支点にどれくらいの余裕があるかを判断するための
冗長性(redundant)を求めてきた。
その結果、冗長性(redundant)は余剰的な豊かさと誤解されている。
つまり、これまで冗長性の獲得は歴史的に
重量の増加なしでは達成できていない。
テンセグリティ構造はこうした概念に対立する。
重量を劇的に軽減しながら、機能の劣化がないばかりか
機能と安全性がむしろ増加する原理を示しているからだ。
1960年代の宇宙工学が最初にテンセグリティ理論の導入に関わったのは、
大気圏外まで必要な効果的な機能だけを
安全にかつ経済的に移動させるためである。
大型ジェット機の全重量を収容乗客数で割ると、
最新の機体ほど劇的な重量の軽減に成功していることが分かるだろう。
燃費が大幅に改善された最新の自動車は、
もはや限界に達したエンジンの燃焼効率の改善ではなく、
車体の剛性を向上させながらも、安全性を劣化することなく
車重を劇的に軽減する方法で燃費が改善されている。
一方、最新の耐震設計に合格した構造物は、例外なくその自重は増加している。
大気圏内の住居テクノロジーが
こうした冗長性(redundant)で利益を確保する時代遅れのテクノロジーである限り、
冗長性を排除するには不向きである。
人々が成功の象徴として重厚な家を指向しているかぎり、
大気圏内の住居テクノロジーに関わるすべての専門家たちは
もっともらしい冗長性(redundant)がもたらす安全性と経済性において
つねに消費者を欺くことができる。
テンセグリティ原理が形成されて半世紀が経過している。
これは20世紀に発見された科学原理の応用段階に到達するには例外的な懐胎期間である。
懐胎期間の意図的な引き延ばしが容易なのは、
専門分化されたテクノロジーの冗長性への見えない依存度のためであるが、
過剰な重量増加は、つねに二酸化炭素の増加問題である。 Y.K