月別アーカイブ: 2008年4月

ミュート・コミュニケーション

沸かし湯ではない
奥出雲の静かな岩風呂の温泉に入るときは、
2,3人もいない客とかるい挨拶をする。
このとき、返事が返ってこない時は
間違いなく都会人だと思ってよい。
都会人の子どもは挨拶すること自体に驚いている様子である。
この一様な反応に年齢はあまり関係していない。
折角の休日を田舎で一時的に滞在する人は、
無意識的にコミュニケーションを
絶縁状態にしている可能性はあるにしても、
都会でジョギングですれ違う人が
軽く挨拶することもないからただの都会の習慣かもしれないが、
同じ天然のお湯の中でしばしの時を過ごすには
不自然な習慣である。
過密な通勤電車から身を守る
ミュート・コミュニケーションは天然温泉でも解除できないのか。Y.K

色彩エコロジー

寒冷地でも黒色の車種が
エレガントな存在として若者の間で支持されている。
砂漠の日中の熱反射から身を守る色が白色であるように、
寒冷地の極低温から断熱する色は黒色ではない。
太陽がない夜間、黒色には他の色よりも物体を効果的に
冷却する冷凍庫のような機能がある。
車内が夏暑く冬寒いとなれば、
一年中エアコンに余計なガソリンを消費するので
寒冷地の黒色のすべての車種により課税する場合の
もっともらしい理由となる。
少なくとも樹は地表温度を上昇させないために
もっとも効果的な色を葉に採用してきた。
その結果、森のすべての葉の表面積は森の大地よりも大きい。
急激な外界の変化に恐竜の体温調節が間に合わなかったのは
体積に対する表面積比であったように、
都市のすべての車と家の表面積はいまや都市全体よりも大きい。
宇宙物理学的に自分の好みで
家や車の外観色を選ぶ商品は時代遅れである。
色彩エコロジーは、開発済みである。  Y.K

効果的

米は家畜のために、トウモロコシは車のために、
そして労働は利子返済のために従事するすべての職業は、
富を略奪するシステムが生み出したバーチャル・リアリティである。
世界人口を劇的に減らすもっとも確実で間接的な方法は、
地球温暖化と連動した市場の原理に基づいて、
主要な穀物の価格を釣り上げる口実づくりだったのである。
それによって二酸化炭素の排出も減り、貴重な淡水も確保できる。
排出権を取引するMBA仕込みのうぬぼれた連中よりは
効果的なシナリオだ。         Y.K

酸素

特別な呼吸法を知らないで、5分間空気が遮断されれば、人間は死に至る。
人間は空気に対して選択肢が持てないほどの、
有り余る大気が与えられている。
60億を超えた人口に対してまだ酸素は、不足する事態には至っていない。
(正確には、大気に国境がないので
食料のように不足の状態が作れなかっただけである。)
酸素は、資本主義も共産主義でも最初から社会化されている。
それゆえに課金メータを設置できなかったのである。  Y.K

私の仕事

物理学は原子の内部の出来事を扱うが、化学は原子の外部の出来事を扱う。
化学は結合と解離に関する基本的な整数的な構造を扱う。
シナジェティクスは、
これらの相互関係および整数自体の構造化に関与する。
この仕事には走査顕微鏡も加速器も不要だ。
観察から学べることは僅かしない。
実際、原理の発見があった後に、だれでも観察することができる。 Y.K

残像

現象の遅延は単に脳のメカニズムの限界によって生じる。
認識するためには残像を待たなければならない。
モデリングからモデル言語の認識まで1年以上待つことも稀ではない。
シナジェティクスは
固体という概念のミステイクの発見まで、25世紀以上も待った。
概念の遅延は主に言語によって生じるからだ。  Y.K

青田買い

栽培経験が豊富であればあるほど、青田の段階で収穫を予測できる。
すでに獲得した不可視の技術的ノウハウの膨大な目録を
利用できるグランチが優秀な理系の大学生と
卒業前に雇用契約を交わす(青田買い)のは、
あらゆる将来的なノウハウを独占するためである。
もちろん、グランチは大学とは異なった独自の評価基準で
学生を選ぶノウハウを持っている。    Y.K

秘境資源

前人未踏の秘境には豊富な資源が眠っていることが分かっていた。
衛星から天然資源の鉱床がスキャニングできる。
中国政府はチベット山脈に全体に銅、亜鉛・鉛、鉄鉱石の豊富な鉱床を発見し、
2006年7月1日に名目上はそれらの運搬手段として
約2千キロの青海チベット鉄道を全通させている。
武力弾圧のための兵士と武器をチベットに輸送する際にも
この鉄道は利用される。
宗教心はまだ衛星からスキャニングできない。   Y.K

ファイアウォール

都市は城壁とともに始まった。
それは、物流の拠点としてだけではなかった。
情報もファイアウォールの構築から始まる。
食料自給も「軍の中継点」の
ファイアウォールの構築として始まる。
世界権力機構が意図的に日本の食料自給率を低下させたのは、
稲作の伝統が光合成の非現金化のためのファイアウォールとして
もっとも怖れられたからだ。
(ベトナムもアフガニスタンも稲作地帯である。
中国は小麦・大麦地帯である)
一粒万倍は、計算を基礎にした活動(=logistics)、
つまりシナジーのアジア的非武装ファイアウォールの伝統である。
私が18年間玄米を食べてきたのは、健康のためだけではない。
生存方法としてもっとも自由を拡大するからだ。
たとえば物流とリスクの分散化機能としての見えない城壁である
キャッシュカードや生命保険への依存度を低下させる。  Y.K

プライム問題

サブプライム(信用度の低い人向けの住宅ローン)という言葉に
惑わされてはいけない。
資本主義のプライム(=最重要)問題は、
陸地の不動産の略奪的貸付などはどうでもいいのだ。
リスク回避を人の住んでいない極地の天然資源にしか求めない
21世紀のプライム問題は、
海底資源(inside)と他の天体の資源(outside)を
略奪するための覇権の獲得だ。   Y.K