引力という張力

原子核に固体は存在しない。
核子間の核力が電磁気的反発力を超えた引力として作用し
原子核を安定化させている。
この引力による構造安定性が固体という概念を破壊する。
最も安定な原子核は、鉄の原子核である。
土壌中にもっとも豊富に含まれる金属原子である。
それゆえに、鉄と権力は融合しやすかったのである。
城壁はそれにつづく固体的建築様式である。
しかし、
あらゆる張力的な可能性は、物質の表面に賦与(デフォルト)されている。
圧縮力はつねにより高い張力の振動数である。
真の宇宙の構成要素は引力を受けるのである。
にもかかわらず、21世紀の個人は社会構造のなかで
つねにプレッシャーを受ける圧縮材としてのみ機能している。
彼らには挫屈という構造の不安定性が待っている。

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