「アイデアの結晶化」という思考法がある。
「最終的に考えを固める」こともこの思考法の変形である。
柔軟な強度は、結晶化にはない現象を扱う
もっとも新しい科学的概念であるが、
自然界ではすでに物質化されている。
たとえば、天然で最も硬い物質であるダイヤモンドよりも
構造的に強いフラーレンは、
もはやダイヤモンドよりも硬くはないのである。
(このダイヤモンドの硬さは、耐衝撃性に弱く、金槌で叩けば粉々に割れてしまう弱点がある。ダイヤモンドはもっとも振動しない固体だからである。)
ダイヤモンドにはないが、
フラーレンには存在する外力分散の機能こそが柔軟な強度を生成する。
あらゆる冗長な固体的な思考法は、
耐衝撃性に弱く、
本来的に思考自体の破壊を加速するだけである。
硬い固体には、構造にとっては無駄な物質が集積されている。
物質における柔軟な強度が、
引っ張り強度とその振動数以上に関係するのは
ノードの配置パターンである。
そのパターンは物質ではなくメタフィジクスに属する。
耐震強度を固体に求めるのは、経済的でも安全でもない。
真の強度はメタフィジクスにある。