F1用のエンジンは、ほとんど1年がかりで調整してから、レースに出る。
新品の部品で構成されたエンジンは、すぐには調子よくならないからであるが、
エンジン調整費は、エンジン開発費の一部でもある。
一方、量産型の新車の場合は、
ユーザが購入してからユーザが調整することになる。
走行距離に無関係ではないが、
修理または整備した2年後の車がもっとも性能は安定しているだろう。
私のハイブリッド車は、5万キロまでに
バッテリーとエンジンの主要な部品に明らかな不具合があった。
しかし、修理代はいつも全く請求されなかった。
それは新車保証の範囲内だったからであるが、
不具合の納得いく説明もなかったばかりか、
主要な部品交換の記録も修理履歴には残されていなかった。
少なくとも、壊れた部品は私の所有物だから交換部品の返還を何度も求めたが、
無視されたので、私は疑問を感じるようになった。
実際、定期点検時などに設計上の不具合を秘密裏に修理をすれば
ユーザには非公開にできる。
修理代が請求されなければ、
この方法に多くのユーザは気がつかないかぎり、
もっとも経済的な損失を被るリコールにはならないのだろう。
非公開を前提にした修理の履歴のデータベースによって、
型式は同じ新車でも性能はより向上していることになるが
もし、このデータベースをユーザが閲覧できたなら、
完全な整備済みの新車は販売できないこともわかるだろう。
F1レースカーに走行距離ゼロの新車が存在しないように。
整備済みの商品が新品とは限らない。
しかし、ユーザはいつも新品が好きだ。
新品が好きなのは、計画的陳腐化のよきユーザでもある。