月別アーカイブ: 2009年9月

人損

つねに正直であれば、損をするかもしれないが、
損をして、ますます卑しい人が寄ってくるのは、
つねに素直に元を取り戻そうと抵抗しているからだ。
交流で磁化する発電機や変圧器の場合、
コイルの導線の抵抗によって失われる電気エネルギーが
システムの効率を決定的に低下させる。
これは銅損といわれる。

より経済的

かつてのバブル時には、
すぐに金儲けできるアイデアが横行した。
いまのような深刻な不況時には、
より実用的で経済的なアイデアが尊重される。
どの段階もすぐに役に立たなくなる人間が、
つねに入れ替わっている。
化学元素とそれらの相互作用も、
もっとも実用的で経済的で形成されている。
しかし、もっとも理想的なアイデアで形成されている。
92種あれば、人間が望むものはなんでもできる。

楽しいこと

静か孤独な時間を過ごしたいと言っている人ほど、
独りの時には、メールしたり、電話をかけたり、
テレビを見ている。
仕事と独りでいるのが楽しくないだけだ。
孤独に楽しく過ごすには、
自己のテクノロジーが必要だ。

国家

久々に古い段ボール箱類を整理していて、
高校生の時にのめり込んで持ち歩いて読書した文庫本を見つけた。
ニーチェの『ツァラトゥストラかく語りき』であった。
「国家というものは、あらゆる怪物のなかで最も冷ややかなものである。
それはまた、冷ややかに嘘をつく。」
という箇所に線が引いてあった。
政権交代しても半世紀前の密約が公開されない事情は、
16年間生きていれば、だいたいわかっているのである。

奪いグセ

金があるなら使え。
どうせ、だれかの借金だ。
でも、全体の借金は金利で増えるばかり。
そんなことは誰も気にしない。
誰かにはいつも金があるから。
経済とは奪うか奪われるかだ。

断知

信じるために、より知ろうとすることは
信頼する行為ではない。
空腹を満たすために食べるのではなく
絶食によって、空腹感を消去できるのだから。

隣組(最小単位の5人組クインテット)

より少なくなる集落でも、みんな孤独で隣人を信じていないのは、
単に高齢化したかつての隣組(または5人組)の末裔だからではない。
いまでも集落情報よりも、
警察広報紙、自治体が配布するお知らせなどが
つねに折り込まれる回覧板の回覧が生き残っている
複数の隣組からなる限界集落は、
官主導の隣保組織の象徴なのだが、
他人の真似をする農業を選んだ消費社会の
統制された奴隷の末路なのだ。
自立的経済の可能性は、限界集落という位置づけ以前から、
戦争継続のために破壊されている。

資源

資源とは、望んだときに、望んだ場所で、
濃縮され安全に扱い易くなった価値ある化学物質である。
この化学物質に現金や金融証券、
そして、クレジットカードは含まれない。
資源自体に消費や消耗は存在しない。
資源は相互に化学反応をするだけである。
金利ではなく、シナジーを加速させるための。

農薬

信頼できる農薬を合成する化学者は、
色と形が見かけ上の綺麗な農作物に仕上げるために知識を使うが、
散布された農薬が、殺したい害虫や細菌まで届くのは0.1%以下である。
残りの農薬は環境に浸透し、土・水・大気を汚染する。
ほとんどの農薬は、金属のように再生できない
もっとも効率の悪い化学兵器である。
戦闘機の設計者が、けっして戦闘員にはならないように、
その化学者や同僚の家族たちは、
もちろん、信頼できる農家から直送された
無農薬野菜を食べている。

実践

青年は老人のようになりたくないが、
老人も青年のような試行錯誤は想い出したくない。
青年が幸福なのは、
知恵を得るために努力する過程である。
老年が惨めなのは、
実践するための知恵で終わる時である。
実践が知恵と出会うのは、
たいてい一番最後になる。