母のために天然酵母のドーナツを作った。
ドーナツに穴がなければ、
味が変わるのはオイラーの法則が変わるからだという話をした。
でもドーナツで自然を模倣することができるのだろうか。
病室の窓のカーテンがゆっくり動いていて
母は笑っていた。
月別アーカイブ: 2010年1月
イリュージョン
想像力があっても何も出来ない人間は
金があっても何も出来ない人間である。
どちらもイリュージョンだ。
自然経済
巨大台風に遭遇したら、
それから逃げるのではなく、
もっとも湿度の高い台風の目の中を
移動し続けるのがもっとも安全だ。
台風の渦を形成しない気体分子が、
台風の渦の中心を構成しているから。
安全な場所はモバイルしている。
ピアノトップ
楽器に蓋はいらない。
ピアノトップは
ピアノの蓋ではない。
大事な共鳴板だ。
この世は、共鳴しない蓋ばかり。
自己責任
自己責任という概念は、
労働者に対する企業の責任をヘッジするために
東インド会社が発明した。
この最初の法律概念は、
貿易で発生する船舶事故の責任を有限にするために
利用されてきたが、
国家の年金制度の破綻にも有効である。
定職
私は高校を中退して一度もボーナスをもらったことがない。
私が失業したのではなく
定職という概念がすでに失業していたのである。
最大の内部
金融工学の最初の拠点は
18世紀のロンドンであった。
情報をほぼ同時的に共有するために
ロスチャイルド家は伝書鳩を使った
閉じたイントラネットをはじめて構築した。
独自の専用線を独占することで
情報の独占と秘密の保持が可能になった。
現代ではインターネットを介さず、
イントラネット同士を接続する閉じたイントラネットの愛用者は、
銀行や行政である。
彼らは外部がとても嫌いかもしれないが、
インターネットはついに最大の閉じた内部になった。
イントラネットの愛好者たちは
この最大の内部を外部と呼んでいる。
そして
中国はいまこの外部がとても嫌いだ。
無条件
ロシア政府は、ロシア革命以前から
失業者には、証明書がなくても
黒パンと豚肉とウォッカを無条件で支給していた。
そして生きながらえる保証を得たが、
多くの失業者はアル中になった。
シェルターと太陽光パネルとPC(これからはiPadと言うだろう)と
衛星インターネット、
そして、少しばかりの農地を
個人が低価格で調達できるならば
人々はより健康で知的になるために
喜んで失業するだろう。
知的産業社会では
都市に定住しなくなる傾向が生まれる。
テンセグリティ球
完璧なテンセグリティ球などといったものは存在しない。
半径はつねに振動している。
樹木のように。
事実
事実は解釈によって作られる。
だから、政治的解釈や経済的解釈は編集されている。
たいていの事実は存在しないが、
原理は事実とは異なる存在である。
その区別ができるのが
知識である。