アリの巣はアリの生存機能を拡張した道具である。
クモの巣はクモの生存機能を拡張した道具である。
鳥の巣は、鳥の生存機能を拡張した道具である。
これらの道具もつ種族維持のための機能は、
鳥の一生においてきわめて部分的なものある。
生存と成長に必要な総合的機能のうち
つねに必要でない機能を
身体から分離しなければならないのは、
鳥が飛ぶことを選択したからだ。
人間の家は、人間の生存機能を一時的に拡張した道具である。
しかし、人間の一生においてきわめて部分的なものある。
あらゆる道具は、有機体生命の成長過程に
不可欠な機能を担う部分としてのみ宇宙に存在できる。
人間がつねに必要でない機能を
身体から分離しなければならないのは、
いったい人間が何を選択したからなのだろうか