日別アーカイブ: 2010年9月22日

かけがえのない自然

鳥は翼を傷つけたとき、
他の翼、つまり、仲間の鳥の翼と交換することは出来ない。
鳥には破損箇所を自己修復する機能が与えられている。
われわれの住宅の部品は隣の家の部品と交換できないので
非モジュール的に設計されている。
ドアや窓、畳でさえ交換はできない設計である。
交換できないことで、利益を追求している世界は
まだ支配的である。
(土地資本主義から自己修復できる住居の概念は生まれないだろう)
現代のジェット機の翼やエンジンは交換できる。
モジュールという概念はパソコンや冷蔵庫、自動車にも適応されているが
自然は原子核を構成する核子に適応している。
銀河は10億年以上の時間をかけた衝突によって
互いにモジュールを合体する。
核分裂や核融合では陽子や反粒子などのモジュールが交換される。
かけ替えられるという交換機能または自己修復のデザインは
宇宙の見えないテクノロジーに属する。
人間の感傷的な世界観が生み出している
「かけがえのない自然」は、
唯一無二というかけ替えられない=交換不可能で非動的な平衡状態、
つまり、死の世界の概念である。
同時に、
この概念こそが現在の99%の人類のエコロジー概念を支えている。
エコロジーに自然はまだ含まれていないからではなく、
自然がエコロジーを含むまでメタフィジックスはつづく。