日別アーカイブ: 2011年2月3日

(続)同時的世界

鯨は、仲間の死に涙を流す
涙線がない哺乳類であり、
バイオスフィアという球状社会で
共に言語を創り出す海の民を排除するのは
生存のためのタンパク源を求めない
純粋なカニバリズムだ。

同時的世界

脈は手で触らないと分からない時代から
衛星から非接触でも同時的に分かる時代に
人々はどうして通学・通勤しているのだろうか。
同時的だが直接的な
互いの監視や競争が
人々の主要な労働や学習になっている。
数千キロ離れた仲間と
互いにほぼ同時的に会話しながら
非同時的に回遊している鯨たちが
見えない球状ネットワークを
無料で使いこなしているテクノロジーと
人間が競争しないのは
鯨よりも人間を監視し課金するテクノロジーを
最優先しているからだ。
イデオロギーにかかわらず
この数千年間、
それは何も変っていない。
そして
無知からではなく
おそらく嫉妬から
彼らを食べもしないで肝油だけを採取して
油田発見まで灯火用のエネルギー源として
課金したのである。
マッコウクジラからだけで
年間1万頭分以上の油を換金できたのは
もちろん、18世紀以後の大型の帆走捕鯨船の造船技術を
独占した東インド会社である。