(続)狡猾(cunning)

「試験がなければ勉強しない」
と信じるように教師を養成するマニュアルこそ
狡猾さ以上である。
間違った答えのことは忘れても、
カンニングしたことを覚えているのは
このマニュアルのお陰である。
学生の試験での不正行為を
大学側が犯罪とするには、
学習から
失敗することをことごとく除外する行為を
教育の目的の一つにすることから
始めなければならなかった。
気の利いたカンニングをした学生が逮捕されたのは、
狡猾(cunning)だったからではなく、
むしろ逮捕する側の
この歴史的な不正行為(cheating )を
隠蔽するためだった。