有人宇宙飛行が成功するまでの過程で、
人間の代行者として
大気圏外の軌道を周回し地球に帰還してくるまでに、
いったい何頭の犬やチンパンジーが
その犠牲になったかは公開されてこなかった。
同じように、
原発における
今回のコンクリート詰めの事故処理を担う労働者たちは、
公開されない。
まして彼らは
宇宙パイロットのように
この大気圏内の英雄として
歴史にその名を刻まれることもないだろう。
たとえ、この自己犠牲を受容する労働者が
自分の愛する息子でないことを
願ったとしても。
人間の死でシャットダウンされるすべての技術は
どんな生命にも容認されない。