月別アーカイブ: 2011年3月

延命

加圧水型原子炉の一次冷却水にホウ素を溶かし込めば
核反応の制御が効果的にできる。
しかし、ホウ素の注入によって
原子炉が修理不能になってしまうので
電力会社は危機を脱する最良の選択を拒否してまで
原子炉の延命を優先した。
しかし、結果として
複数の原子炉から放射線はいまでも放射されつづけ、
すべての原子炉は海水で使用不能になってしまった。
原子力テクノクラートたちは
原子炉はおろか
そこで作業する者の生命も
そして、広大な農地も延命できなかった。
生命の危機的情況に遭遇すると、
近視眼的な利益追求を優先した資本主義は
短期間で残酷な独裁者に変貌する。

自然状態の大気

汚染された地域の放射能レベルを
「自然状態の大気」に含まれる放射能レベルと比較しているが、
彼らの言う「自然状態の大気」には、
第2次世界大戦以後、
原爆実験のため大気圏内に
既に約10トンのプルトニウムが
出荷済み(デフォルト)にされている。

(続)計画的陳腐化

津波という自然は
多数の死者と30万人を超える被災者の地獄と引き替えに
原子力エネルギー独裁者のこの計画的陳腐化を
破壊しようとしているのである。
原子力エコロジーの終焉と共に。

計画的陳腐化

原子力発電所の稼働率が
現在その45%まで低下して、
電力不足になっているが
それは一方で
火力発電所のほとんどを停止させているからだ。
火力発電所の稼働率を60%程度に引き上げるだけで
不足分はバックアップできる。
しかし、原子力エネルギー独裁者の出した解決方法は
計画的停電だった。
皮肉にも国民の徹底した節電で需要予測を下回り
この計画停電も一夜で失敗すると同時に、
火力発電から原子力発電へのバージョンアップを目論む
前世紀からのエネルギー計画の陳腐化が
露わになった。

内部被曝(Internal Exposure)

私は2度目の
α線による体内被曝を受けるだろう。
最初はヒロシマの土壌と飲料水から
そして
今年の早すぎる春風と雨から。
私の細胞は
皮膚よりも光り輝くだろう。
きっと母は
がっかりするだろうな。

コンクリート詰め

有人宇宙飛行が成功するまでの過程で、
人間の代行者として
大気圏外の軌道を周回し地球に帰還してくるまでに、
いったい何頭の犬やチンパンジーが
その犠牲になったかは公開されてこなかった。
同じように、
原発における
今回のコンクリート詰めの事故処理を担う労働者たちは、
公開されない。
まして彼らは
宇宙パイロットのように
この大気圏内の英雄として
歴史にその名を刻まれることもないだろう。
たとえ、この自己犠牲を受容する労働者が
自分の愛する息子でないことを
願ったとしても。
人間の死でシャットダウンされるすべての技術は
どんな生命にも容認されない。

インテグリティ(統合力)へ

地球生命が誕生したのは
放射線から安全な距離、
つまり
太陽からの平均距離が約1億5000万kmだったからである。
これは宇宙の基本的なテクノロジーである。
そして
人間の役割は
どんな生命にも容認される方法で
基本的な環境の変化に
適切に意識的に関与できる
テクノロジーを発見することである。

(続)自然のテクノロジー

一定の形を保ったまま、
いつまでもどこまでも進む孤立した波、
ソリトン波という津波を
ライブで初めてみたのは3日前だ。
このソリトン波の津波が新型新幹線よりも
高速(時速500キロ以上)で移動できる原理は
1965年に発見された。
このソリトン波の高速流による構造物の被災はすさまじい。
だが、防災の専門家はこの原理についてコメントしなかった。

テクノロジーの起源

とうとう
「欠損が確認された場合、
2号機は東北地方太平洋沖地震による
初めての直接的な被害を被ったことになる。」
とメディアは言い始めた。
原因を自然災害にするまえに
原子力テクノロジーが
津波という自然のテクノロジーほど
完全ではなかったことを認識しなければならない。
原子核を人間がデザインしたのではないならば、
自然のテクノロジーから学ぶことは無限だ。