日蝕が始まると
森の鳥たちはざわめいていた。
葉の表面温度が6度下がった。
コンクリートは12度
鉄板は20度下がった。
しかし、もっとも急激に下がったのは
植物ではなく森全体の体温だった。
コンクリートや鉄にはない
タイムラグが存在するのは
樹にも森にも
太陽の放射エネルギーの変化に合わせて
温度を変えられるシステムが備わっているからだ。
地球の急激な寒冷化は4分間で十分だった。
月別アーカイブ: 2012年5月
純粋な周期性
軍産複合体が指導する法律家資本主義は
大多数が見事なまでの偽善を生むところの虚妄システムであって、
その偽善こそはすべての宇宙システム(=integrity)が
排除してきたものなのである。
さもなくば
金環日食などの宇宙の原理群がもたらす
純粋な周期的な法則が獲得されるはずもない。
紀元前6世紀頃の世界権力構造は
既に天文学的な周期性を発見しているにもかかわらず
21世紀の支配を企てる法律家資本主義は
生命を構成する<元素の存在度>が
<太陽系の元素の存在度>と一致している現実(リアリティ)に
まったく関与できていない。
そればかりか、より惑星地球を支配する欲望によって
法律なき法律家資本主義に堕落しているのである。
純粋な周期性は
つねに予測的で計画的な宇宙の秩序形成の現れである。
つまり、宇宙の不可視の秩序形成には
コングロマリットや軍産複合体のような
複雑で不可視の法人格を不要としている。
バイオレットの森から
4つの窓を開けて森の中をドライブする。
新緑になる直前の広葉樹の樹木の群れによって
周囲の森はバイオレットに輝いている。
素晴らしい風景に魅入ってしまう前に
デジカメではなくレーザーポイント機能付の放射温度計を取り出して
森の様々な表面を記録しはじめた。
驚くことに太陽エネルギーを受光する新緑のどんな葉の表面温度も一定だった。
新緑は移動した春風の軌跡かもしれない。
最後に爆発するバイオレットの頂上が
未だ雪に覆われているを見れば
その雪が溶ける頃
麓が初夏になっているのをやっと想像できる。
森は
同時に存在する異なる季節を
同時に経験できないように
一つに繋ぎ止めている。
数えられない緑の葉が
一つの風を生成するように。
節電エネルギー
21世紀の電力エネルギーは
現実(リアリティ)の変換にも使われている。
節電エネルギーは
虚妄に満ちたリアリティの維持に費やされる。
なんという無駄遣いだろうか。
リアリティの否定
あるがままに見ることは
他人の思考を排除するための
純粋な否定の状態をつくりだす。
ほとんど稀ではあるが
この状態が非同時的に他者と共有できるのは
見ることが
同時性という虚妄に満ちた現実(リアリティ)に対抗できる
唯一の想像力を生成するからにちがいない。
それゆえに
群れを形成しているリアリティの否定は
群れから離脱するよりもはるかに困難である。
未知(unknown)
思考する優れた方法には
目的と手段を融合させるための長い準備段階が含まれる。
例えば
バックミンスター・フラーが50年の歳月を費やして到達した
<クリティカル・パス方法>は
1950年代に開発されたジェネラル・ダイナミクスと
アメリカ海軍のクリティカル・パスとは異なっている。
彼の晩年の代表作である『クリティカル・パス』(1998 白揚社)は
最短経路ではなく
必要不可欠な試行錯誤を含んだ絶対時間を積算した
最長経路の思考方法である。
プロジェクト完了までにかかる最短時間を決定するためには
最長経路のデザインが最優先される。
それゆえに、クリティカル・パスは
未知の分野の探査に使用されてきた。
相似系
草刈りと
セシウム刈りは
どこか似ている。
補助金がなければ
何もしない人々の仕事だから。
排他的生産性
何もしない時間を怖れている人は
何も生産しないように思える植物に
名前を与えなかった。
そればかりか
何もしない時でさえ
雑草を憎んでいる。
太陽とともに動く
名前のないすべての影を
排除するために。
記号化について
家、車、書物、知識といった所有物のなかで
移動可能で重さのないモノは
知識だけである。
しかし、精神をあらゆる条件反射から自由にするのは
知識ではないだろう。
知識にはそれ自体重さのない大きな支配力があるからだ。
ほとんどの知識は
意識的にしろ無意識的にしろ
古い社会に追従するように記号化されていると考えるべきだ。
それらの記号は絶えず再結合しながら
やがて個性や日常生活でさえその集大成となる。
反対称的
自然は、部分からはけっして全体のふるまいを予測できない
システムをデザインしてきたが
人類は、全体からは決して部分のふるまいを予測できない
疑似システムをデザインしてきた。
例えば、核兵器のように爆発した原子力発電システム。