午後の外気温が34度になる時
庭先の雑草の葉の表面温度は31度であるが
雑草を刈って枯れた葉の表面温度は43度に上昇する。
この温度はむき出しの地表の表面温度に等しい。
ちなみに、雑草に打ち水をすると
雑草の葉の表面温度は25度にまで低下するが
枯れた葉は生きた葉の表面温度には戻らない。
家の周りの雑草を適度に維持することは
もっとも経済的な科学的な省エネ方法である。
月別アーカイブ: 2012年8月
分割と分裂
勝者による世界分割(=グローバリズム)には
核分裂(nuclear fission)が使用されてきた。
勝者による世界分割と
弱者による自己分裂は
恐ろしいほどに同時進行する。
こうして、外部と内部の分割と分裂のために
消費されるエネルギーと物質という宇宙の富は
人類が作り出す富の過半数に達している。
学ぶことについて
具体性を実際に学ぶことは
行動にもとづいた気づきによって
蓄積され先行した知識を破壊するための
しばしば孤立した峻烈な行為である。
学ぶ方法は模倣的学習からは学べない。
さもなくばどんな新しいものも除外されるに違いない。
より繊細でより軽く
圧縮材の強度は
断面積と長さとの細長比に影響されるが
張力材の強度は
単位断面積あたりの張力材の表面積に影響される。
張力材の強度は、張力材を構成する炭素繊維または金属繊維が
細ければ細いほど強度は向上する。
この原理から
藁から縄が編まれる場合の強度の飛躍的増加が
縄の直径よりも
単位断面積あたりの藁の数で説明できるだろう。
実際、21世紀のより繊細で軽い存在は
ほとんど炭素から構成されるようになった。
人類が排出してきた炭素は
大気圏に十分保存されている。
地球を周回している見えない資源として。
安定について
政治家の保身行為が政治を破壊するように
社会のあらゆる静的で個人的な安定志向は
無秩序を拡大している。
われわれが自然の一部なら
やがて自然の秩序を形成するだろう。
テンセグリティのように
動的な均衡のみによって。
天気
天気をもっとも気にして生きている人は
漁師や農夫である。
メディアの天気予報を信じていないからだ。
天気は統計学的にしか正しくない以上
自分が住んでいる地域の
今日という未来にはほとんど有用ではない。
リセット戦争
政治に依存した道徳は不道徳に他ならず
彼らが不実な言語を押し通す結果、
社会は無秩序な行為を受容し始める。
政治家や企業家の支配欲が
われわれの生活やその基盤となる文化や社会を築きあげてきた。
しかし、支配のための競争と
そして極大化した矛盾のすべてをリセットするための戦争を
受け入れる正義を
あらゆる瞬間に複製する平時の文化を築きあげるのは
彼らではない。
われわれの言語である。
そして
不安や怖れ
それらを打ち消すための欲望を引きずりながら
工場やオフィス、ホテルやアパートの寝室で
突如として死を向かい入れるのである。
唯一言語化できない死を。
統合力の在り方
統合力は圧縮力にではなく
張力の側に存在する。
その形成には、圧縮材を相互に直接結合しない前提条件が
理解されなければならない。
互いに純粋に分離させることで
連続した張力によって統合する方法が
「分割して統治」する法律家資本主義の方法の対極にあるのは
統治するシステム自体をテンセグリティから
けっして取り出すことができないからだ。
中枢機能(=大黒柱)がなくては存在し得ないシステムを完全に排除する
史上初の構造の発見によって
構造の認識とその定義は
どんな権力機構も意図的に回避している。
許認可システムによって
記号と言語を再生産する建築家によってさえも。
鋳型について
真のリアリティは構造が生成する。
空間構造こそ人間の精神を表すばかりか
その鋳型にもなり得る。
あらゆる宗教のモスク建築に
かなりの富が費やされてきた。
モスクとは柱のない広大な礼拝堂空間であるが
幾何学的な球状空間を作り出す固体的な建築技術によって
はじめて可能になった。
だからこそ、
その直径には限界があった。
自律可能な展開
最初にテンセグリティ原理の応用を
他の天体に求めたのは1960年代のNASAである。
より軽量でより少ないエネルギーで
構造が瞬時に自律可能であったからである。
1986年、バックミンスター・フラー研究所のクロノファイルから
そのプロジェクト資料を閲覧したときの衝撃こそ
やがて21世紀のデザインサイエンスのメインストリームを形成するに違いない。