胃袋に入った水や食べ物の移動や
胃の内部でのそれらの温度変化を感じることはできない。
肺に入った空気の温度変化を感じることはできない。
食物が私の爪や髪を伸ばしたはずであるが
それらの成長の変化を意識できないばかりか
長くなった爪や髪を切っても痛みはない。
しかし、脳に入った知識や情報の新たな相互結合や解離を感じることができる。
それは理解という段階を自発的に形成する時に感じられる。
もっとも神秘的な理解は
最初は互いに隔絶していた知識が実際に物事を経験することによって
突如として相互に関連していく知識を習得する段階に訪れる。
相互に関連する知識は
異なった特別な個人的な経験によって
新たな知識として再起動され
それまでの間違った知識を破壊する行為から生まれる。
その初期化への開放感は名状しがたい。
しかし、それゆえに
その喜びで震えるほどの統合される瞬間へと
導びく確実な方法を
だれも教えることはできない。
ーーーー自分にさえも。