分析は
より小さな宇宙を
より単純に見るための人間が発明した知的な方法だ。
しかし、われわれは科学的に発見すればするほど
未知なる存在によってより圧倒される。
そして、未知なる存在はつねに
既知となった秩序と
互いに矛盾のない秩序を形成しているのである。
明らかに客観的な知性は先験的に存在している。
月別アーカイブ: 2012年11月
宇宙について
より大きな宇宙は
より小さい宇宙からはけっして予測できない。
ーーーーより小さい宇宙は複雑すぎるから。
続)パリティ(Parity)
シナジェティクスは
1950年代に素粒子物理学で発見されたパリティ(Parity)の概念を
最初にモデル化した唯一の包括的科学である。
私が1981年からバックミンスター・フラーと共同研究を開始するまでの
相補性(Complementarity)の概念と本質的に異なるパリティ(Parity)の概念を
シナジェティクス・モデルで物質化する懐胎期間は
ほぼ30年を要していた。
■参照『コズモグラフィー シナジェティクス原論』白揚社 (2007/09) 補遺
バックミンスター・フラー著 梶川泰司 訳・解説
パリティ(Parity)
地球上では
思考可能な対象に対して
対象の外側をその外部から観察する
思考形式がある。
この思考形式は
宇宙に対して
内部からその対象の外部を観察する思考の形式の反転現象を
けっして思考の対象にしない習慣を伴ってきた。
<左>と<右>を本質的に区別するための概念が
相互関係を一定に維持したまま
交換可能な<表裏の反転>現象
でしかないにも関わらず。
ーーー片方だけのゴム手袋によって左右を反転する実験のように
美について
陽電子が電子と衝突し対消滅して
光子が放出されてγ線に変換されるように
圧縮材と張力材がテンセグリティに変換され
すべての外力を分散する
共鳴型テンセグリティシステムの生成プロセスに
<美>は介在しない。
テンセグリティは外力とは共鳴できるが
美をデザインする人間の欲望とは共鳴しない。
続)神秘について
経験による
知識の初期化は
デフォルトの発見を伴う。
この発見は知識量に比例しない。
もちろん年齢にも比例しない。
神秘について
胃袋に入った水や食べ物の移動や
胃の内部でのそれらの温度変化を感じることはできない。
肺に入った空気の温度変化を感じることはできない。
食物が私の爪や髪を伸ばしたはずであるが
それらの成長の変化を意識できないばかりか
長くなった爪や髪を切っても痛みはない。
しかし、脳に入った知識や情報の新たな相互結合や解離を感じることができる。
それは理解という段階を自発的に形成する時に感じられる。
もっとも神秘的な理解は
最初は互いに隔絶していた知識が実際に物事を経験することによって
突如として相互に関連していく知識を習得する段階に訪れる。
相互に関連する知識は
異なった特別な個人的な経験によって
新たな知識として再起動され
それまでの間違った知識を破壊する行為から生まれる。
その初期化への開放感は名状しがたい。
しかし、それゆえに
その喜びで震えるほどの統合される瞬間へと
導びく確実な方法を
だれも教えることはできない。
ーーーー自分にさえも。
お土産
一瞬、強い光線が光り輝き
少し遅れて地響きと共に
その爆発音を聞けた人はまだ幸運だった。
信じられないほど巨大なキノコ雲を遠くから
見た目は無傷で
しばらく見物できたからだ。
この原子爆弾は1970年代には
すでに限定品のお土産のように買うことができた。
2種のプロトタイプの人体実験が成功した以後
この歴史的な記念品の各改良版は
日本で製造され続けてきたが
販売元はもちろんアメリカ合衆国である。
現在ではかなりの在庫をもっていることを
そろそろ自慢していい時だろう。
総選挙前にはちょうどいい。
バイオミミクリー
人間以外の生物に著作権がないと主張する学問は姑息である。
デザインサイエンスがけっして生物形態を模倣しないのは
人間は想像力を駆使すれば
彼らの方法を模倣しなくても十分だと
自惚れているからではない。
人間は自然が採用したデザインを発見する以上のことはできない存在である
という考えに基づいて
自然が利用する諸原理の発見を絶えず試みているからである。
続)関係について
全体のふるまいは
部分のふるまいからデザインできない。
その逆も同様にデザインできないのは
部分と全体の関係はそもそも
デザイン不可能だからだ。
全体と部分との関係は
つねに発見されるように
デザインされている。