今世紀の経営戦略でも頻繁に使用されるようになった<シナジー効果>
つまり、
技術力や生産設備、営業網などの各部門の共有によって
コストメリットやノウハウ、人材の移転などによる効率性の向上に繋がる
様々な相乗作用を活用した<シナジー効果>とは、
部分から推論できる全体の経営的な合理化のことである。
部分から推論できる全体の合理化としての<シナジー>は
部分から推測できない全体の非論理性を備えた
<自然のシナジー>とは本質的に異なる。
水素と酸素が化合して水になるように
2種類以上の物質が結びついて1種類の物質ができる化学変化が
相乗効果ではないように、
さらに、
圧縮材と張力材の各構成部材の相乗作用を活用した効果として
空間構造上の利益を生みだせるように
テンセグリティがデザインされたのではないように、
シナジーは人間が期待するような段階の相乗効果ではない。
真のシナジーはつねに発見されてきたのである。