月別アーカイブ: 2013年3月

バラック考

バラックは日本語ではなかったが
第2次世界大戦後
この言葉を日常的に使って暮らさなければならなかった。
バラック(Barracks)とは
<一時的なシェルター>を意味する兵隊のための細長い宿舎である。
細長い横木=Barがその語源である。
テンセグリティは
垂直な圧縮材も水平な圧縮材も存在しない
最初の放射状のバラックである。
バックミンスター・フラーが
正20面体の対称性のあるテンセグリティを発見したのは
1951年である。

逃亡的知性

知識の大半は
危機から逃亡する言い分けのために用意される。
そこから逃れた僅かな知識が知性ではない。
知性は予測的な能力にある。

放射について

学習の99%は
才能や能力によって与えられる光がなくとも
他人から借りた知識という光に依存する行為である。
自らの内部にはどんな光源もないことを前提にした自己教育は
その学習方法を競争させる以外の目的を排除するだろう。
その記憶された知識の正確さと量を競うのは
放射する無意味性そのものだ。
無意味性という被爆は
未来に続く昨日の思考の沈黙の拡大である。
学習すればするほど
社会道徳とその諸価値を全的に否定することがより困難になれば
そのような依存の終わりに
死という最大の放射が訪れる。

複製技術

インフルエンザウィルスの直径は80-120nm
プロセッサの配線の太さの最小は32nm
しかし、ウィルスの核酸RNAはもっとも細い。
そのDNAは直径2nm(nm=100万分の1mm)
自然のテクノロジーは
まだ複製できていない。
プロセッサの配線は
RNAのように螺旋ではなく、まだ直線だからだろう。
☆<自然は最短距離に直線を使わない> 梶川泰司 

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自由について

間違いを認めない権力が含まれていないのであれば、
権力は持つに値しない。
これは外部の出来事であった。
自由への願望よりも
<自由からの逃走>によって
権力構造はより強化される。
自由を抑圧すればするほど他人への依存が高まる。
権力はいまや内部化している。

クレジット(credit)

小さなグループは
無数のより小さな政府をコントロールし、
小さな政府は国営事業の民営化・私企業化(privatization)や
規制の撤廃、国有資産の売却などを行ってきた。
原子力発電事業も完全に私企業化されている。
それらは
クレジットシステムをより一点に集中するためである。
クレジット(credit)は
かつては「真実性を信じる」言葉であった。
21世紀の生存に対する不安や恐怖、
そして
放射性物質は
このクレジットシステムから
つねに放射されている。

唯一無二への幻想

自然は92の元素を修理することなく
無限にその機能を<掛け替え>ている。
自然は
元素が中古品にならないように
デザインした
最高のプロダクトデザイナーだ。
否、プロダクトデザイナーには
クライアントがいる。
自然のデザインには
クライアントが存在しないのが
グランチの最大の嫉妬の対象である。
それ故に
彼らは<掛け替えのない>
唯一無二の自然をでっち上げている。

捨てられるモノと機能について

いま日本中から使われなくなった
しかし、優れたボール盤や旋盤が
より増加している話を友人から聞いた。
捨てられるモノの機能は
ほとんどは壊れていない。
捨てるとは所有権の放棄であるが
機能の飛躍的な移動の始まりでもある。
修理するボール盤や旋盤の道具だけで
ガレージでも耐久性30年のシェルターが作れるが
そのシェルター自体は
まだ捨てるほど製造されていない。
無数の個人が自由により移動するためには
最初のシェルターの所有権が譲渡され
あるいは放棄されなければならない。
世界中の中古車が
新車よりも移動しているように。