原子物理学者はどんな原子核構造からも
テンセグリティ構造システムを予測できなかったが
テンセグリティ原理が発見され
半世紀が経過したとき
他の天体から届いた隕石の中に
バックミンスター・フラーレーンという
炭素からなる球系テンセグリティ構造が発見された。
どの物質を構成する原子核構造も、
そしてどの有機体生命を構成する細胞も
テンセグリティ構造システムを採用していたのである。
そしてこのことに気づくことが
テンセグリティのもう一つの機能である。
月別アーカイブ: 2013年7月
続)テンセグリティのもう一つの機能
テンセグリティモデルの張力には
その制作者の張力に対する理解の履歴が明確に残されている。
テンセグリティモデルに直接触れなくとも
一瞥するだけでそれを感じとることができる。
そしてこのことに気づかせるのが
テンセグリティのもう一つの機能である。
テンセグリティエンジニアリングを
創り出す前に
それはすでに生成されている。
初期論文 シナジェティクスモデルの発見 1981年
バックミンスター・フラーの死後30年が経過した。
私は初期論文を公開することにした。
ちょうど30年前の7月18日に彼にあった。
私は30才になる直前だった。
この初期論文はサイエンティフィックアメリカン日本版の
オリジナル論文「多面体をおりたたむ」に続く第2弾だった。
これらの論文のスーパーバイザーは
バックミンスター・フラーだったが彼の死後、
日本の学会から出版された。
☆備考
“シナジェティクス研究所のサイト”:http://synergetics.jp/homeから
ダウンロードできる。
テンセグリティのもう一つの機能
テンセグリティの構造とパターンは明晰さにある。
テンセグリティの自律性に対する包括的理解は
あらゆる過去の思考に未だ変換できない直観に属している。
論理的思考力が過去の記憶と経験に根ざしているなら
その思考力はけっしてテンセグリティの明晰さを
もたらすことはできないだろう。
その思考は他人の教える知識に従った
他人に似た自己を複製する行為なのである。
このことに気づくことが
テンセグリティの本質的機能の一つなのである。
個体差
生物学では個性という概念は消失する。
個体ごとの差異は個体差であり
個体性(individuality)である。
個体変異がこの個体差を形成する。
しかし、人類が群れを形成する時
その個体性は植物や菌類のようにほぼ消失する。
だからこそ、放射性物質の降下範囲内での
その群れの突然変異(=遺伝的変異)と
個体変異(=非遺伝的変異)との差異について
驚くべき実験と観察が行われている。
続)反個性
砂糖の過剰摂取が偏った過食を誘発するように
欲しいと思わせるモノだけを生産すれば
必要なものを買わないようにできる。
互いに異なったモノの所有とその自惚れから
人類の反個性は
手っ取り早く作られる。
反個性のほとんどは
条件反射的な生化学反応にすぎない。
反個性
電子が不足すると
見かけが正電荷を持つ反電子(=陽電子)として存在できるように
足りないモノが個性として振る舞うことができる。
欠点を覆い隠す個性など存在しない。
個性という概念は、実際には反個性である。
建築家
太陽や惑星の質量は知っているが
自らが設計した空間構造の質量に対して無関心である。
静止した空間構造物の全自重を
大地に流す仕事から軽量化は生まれない。
大地が重力の下水道のように使われているかぎり
リダンダンシーは最大限に増大する。
単独者
群れから不連続な存在には愛はなく
連続化する群れには恐怖がある。
不連続の連続化に出会うための
自発的精神が担う単独者による探査こそは
シナジェティクスに他ならない。
分断されない一つの全体は
いかなる理想や信念からも
無傷で発見される。
最小単位
古代インドにおける重さと長さの最小単位は<麦>であった。
もっとも身近な主食に成り得たからこそ
この目に見える穀粒が
異なった世界を共通化するための記号に変換された。
穀物よりも成長の早いイモ類が記号化されなかったのは
イモ類が長期保存性に劣るからだった。
とりわけ、移動には不向きであった。
穀物とその栽培方法や保存方法が
重さと長さの永続的な最小単位を作り出したが
その単位はその植物が成長し
種子がより移動した結果である。
統計的な近似値的なその結果から
長さや重さは
それらをどのような方法で測定するか
という<操作>によって定義されている。