日別アーカイブ: 2013年8月27日

実験教育とシナジェティクス

原爆実験の後のヒロシマでは
こどもがこどもを教える<教科書のない>教育システムが
教会が運営する幼稚園や公立の小学校で実験された事実は
セシウムの内部被曝の事実と共に隠蔽されてきた。
戦後復興の混乱のなかで
こどもにとっては学校が一番楽しい場所となるこの教育実験の結果は
1950年代から始まった冷戦時代の米ソの宇宙開発競争に
勝利するために全米の幼児教育で表向きは
「モンテッソーリ教育」として後に利用されたのであるが
こどもにいっさい試験をしない理想的な教育理論の実験は
<規範となる教科書がない>ばかりか
<監視する教師がいない>実験でもあった。
こどもがこどもを教える過程で
こどもは様々な原理を自律的に発見していく。
この革命的な教育実験なくして
私はバックミンスター・フラーの教育理論を理解できなかったばかりか
彼との共同研究を支えてくれた動機など存在しえなかっただろうと思う。
書物や情報に対する依存心、競争に対する依存心、
そして権威に対する依存心などは
規範と監視のための<教科書と教師>を陳腐化した
教育システムではほとんど形成されない。
シナジェティクス教育には、
初等教育も高等教育も専門教育も存在しない。
こどもは、すでに混乱から秩序を発見する自律的な才能を備えている。
彼らは言語を自ら形成できるからだ。