月別アーカイブ: 2013年9月

無関心(indifferent)

あらゆる大人はかつてこどもだったにも関わらず
こどもがそれぞれ特別な(different)興味にしたがって
学習することに確信を持てないでいる。
むしろ、こどもの興味に対して
無関心(indifferent)で冷淡にふるまうのは
生きる上で重要でないと確信しているからである。

学習の無秩序

こどもの学習を試験という競争に駆り立てるところには
苦痛と怖れから逃れるための無秩序がある。
強制のあるところには
自由を憎む心が芽生える。
あるがままを見るように
導くのは教師ではない。
生得的なデフォルトである。
生得的なデフォルトは
教師からもっとも憎まれている。
自然は彼らを必要としないから
学校は無秩序で溢れている。

螺旋軌道

弾丸の飛跡をブレなくし命中率を飛躍的に高くするために
銃身内部に螺旋条溝が発明されたが
この螺旋条溝がなくとも、球体がスピンしながら飛ぶとき
その軌道は螺旋を描く。
シナジェティクスの螺旋体モデルで理解すれば
螺旋軌道は、回転しながら移動する球体を安定させるための
最短距離なのである。
地球も月も、太陽系の外から観察すると
それぞれ周期的な螺旋軌道を形成している。
この物理学を知らないまま
螺旋軌道を描いてサッカーボールを高速でシュートできるプレーヤーを
天才と見ていいだろう。
そのボールには明らかに地軸のような回転軸が存在する。

反・独学法

1970年代の日本には、シナジェティクスの教育者も専門家もいなかったが、
私には、何をなすべきか教えてくれる人がいない状態で
独学した期間はなかった。
1975年頃からバックミンスター・フラー研究所とフラーに手紙を書いていた。
彼の講義日程はつねに把握できていた。
驚くことに、彼の休日は飛行機での移動時間だった。
当時のエアメールでさえ、充実した遠隔的な自己学習方法であった。
学習に独学は存在しない。
自己と他者、そして宇宙との関係だけで、他になにも存在しない。
5年後、彼とシナジェティクスの仕事をしたときに分かったことであるが、
彼は年間2万通の手紙を書いていた。
通学も独学も時代遅れである。

デフォルトの美

検索によって
過去に照らして現在を解釈するかぎり
現在というあるがままのデフォルトの美しさを
とらえられないばかりか、
現在から遠ざかる手段となっている。
検索すればするほど
現在を過去と似た部分で重ねる行為は
より加速するビッグデータで
人類は違いよりも互いにより似てくるのである。
これ以上の神秘の腐敗があるのだろうか。

戦争機械

みんなが金持ちの真似が好きだったお陰で
働かない豊かな生活が1%にやってきた。
お金でお金を稼ぐこのシステムは
経済戦争から戦争経済に自ら変容する。
残りの99%に
借金あるいは死体が残るシステムこそ
戦争機械なのだ。

遭遇

シナジェティクス・モデリングの経験の蓄積によって
シナジェティクス原理との遭遇は生まれない。
シナジェティクスにおいて
経験主義は発見の方法ではない。
シナジェティクスは
抑圧された中心もなく周辺もないドメインに
自己を包含する過程を生成する。
そのドメインは、より少ない言葉と時間でしか生成されない。

同時的真実

「知られざる真実」は確かに存在する。
——非同時的に。
では、いまいったい今何が起こっているんだろうか?
同時的に真実は分からないということだけが分かっている。
少なくとも20世紀にバックミンスター・フラーが
『クリティカル・パス』(1998 白揚社)を著す以前にはなかった
認識が加速度的に形成されている。
理解にも真実にも同時性は存在しない認識こそ
同時性に見せかける過剰な<記号のテクノロジー>を見破ることができる。