圧縮の反対は膨張ではなく
引張りである。
圧縮強さは破壊荷重を断面積で割った値である。
引張強さは細長い材料の断面積で割った値だけでは決まらない。
蜘蛛の糸のように
螺旋構造とβ構造のハイブリッド構造における張力は
物質の表面に移動するからだ。
蜘蛛の糸の驚異的な強度は、断面積だけではなく
その表面積にある。
さらに、蜘蛛の糸の強度や弾性力は糸の含水率に関連し
水分を含んでいれば粘弾性は3倍に変わる。
1990年には、クモ糸を作りだす遺伝子を組み込んだバクテリアに
糸を生成させる軍事的なバイオテクノロジーによって
鉄の5~10倍の張力を獲得している。
現在、すでに伸度と弾性率においても
天然糸を超えた特性をもった人工繊維の合成に成功している。