ダイマクションカーはボディとシャーシー以外は
すべて当時の自動車部品のカタログから注文してアセンブルされている。
V8エンジンはフォードが提供している。
1930年代からすでに新製品は既製部品から構成されていた。
それから80年以上が経過した現在
すべての部品をオリジナルで生産するメリットは
より少なくなっている。
無数の工場から出荷されたままの<デフォルト群>は
21世紀の予測的デザインサイエンスがプロダクトする
<トリムタブ>のほぼ完全部品になる可能性は
加速度的に高まっている。
しかし、異なった複数の既製品を矛盾なく統合するには
既知となった機能との葛藤や
新たな用途開発への混乱をもたらす断片化と
頻繁に闘わなくてはならない。
開発過程での葛藤や断片化はデザインの不足よりも
関係性の発見の不足から生じているからだ。
異業種界の無数のカタログに潜んでいる
新たな関係性の発見とそれから発生する機能の獲得は
自然界から新種の生物を発見する行為に似ているだろう。
デザインサイエンスの実践によって
新しいユーティリティが従来のカテゴリーの相互関係を陳腐化する時だ。
シナジーという脱カタログ化現象は広範囲に始まっている。