月別アーカイブ: 2014年4月

平均律

好きな音楽があれば
嫌いになるまで聞いてしまう。
嫌いになる理由を知りたいとしても
それは、好きになる理由とあまり変わらない。
思考したいときに、バッハの平均律を聴きたくなるのは
好きという限界を知りたいからではなく
音楽を好きにさせる意図を超越する方法として
無限に対するバッハの操作主義的な作曲法が理解できるからだ。
それは永続的な方法にちがいない。

非致死的調査

人間が水深150メートルも潜水できるのは
60兆個の細胞テンセグリティと
地球規模の血管ネットワークのお陰だ。
毛細管を含めると人間の血管というネットワークの総長は地球1周分もある。
ただし、それは圧縮材のネットワークだ。
水圧をかけたホースは鉄のような圧縮材に変換できる。
(その時ホースはけっして長さ方向には延びない。
直径が拡大されるのみである。)
哺乳類の鯨が300メートル以上も潜行するのは
深海に住む生物を餌にするためだけではなく
塩分の濃い水深での地球規模の高速通信ネットワーク網に入るためでもある。
地球の裏側いる仲間たちと非同時的に通信するのだ。
こうした事実は、日本の類資源管理技術から発見されなかった。
———-偽装された捕鯨調査情報などは、即座に共有されているにちがいない。

脱カタログ化

ダイマクションカーはボディとシャーシー以外は
すべて当時の自動車部品のカタログから注文してアセンブルされている。
V8エンジンはフォードが提供している。
1930年代からすでに新製品は既製部品から構成されていた。
それから80年以上が経過した現在
すべての部品をオリジナルで生産するメリットは
より少なくなっている。
無数の工場から出荷されたままの<デフォルト群>は
21世紀の予測的デザインサイエンスがプロダクトする
<トリムタブ>のほぼ完全部品になる可能性は
加速度的に高まっている。
しかし、異なった複数の既製品を矛盾なく統合するには
既知となった機能との葛藤や
新たな用途開発への混乱をもたらす断片化と
頻繁に闘わなくてはならない。
開発過程での葛藤や断片化はデザインの不足よりも
関係性の発見の不足から生じているからだ。
異業種界の無数のカタログに潜んでいる
新たな関係性の発見とそれから発生する機能の獲得は
自然界から新種の生物を発見する行為に似ているだろう。
デザインサイエンスの実践によって
新しいユーティリティが従来のカテゴリーの相互関係を陳腐化する時だ。
シナジーという脱カタログ化現象は広範囲に始まっている。

構造の死

古い構造が死んで
新しい構造が生まれるのではない。
テンセグリティが発見されるまで
構造は存在していなかった。
つまり、構造が死ぬことさえ不可能であった。
この科学的事実を認識できないほど
専門分化は概念の牢獄に繋がれている。
構造は容易に記号のテクノロジーに
置換されてきたのである。
これから構造が誕生する前に、概念が死なない限り
テンセグリティ理論でさえ
実験から理論を陳腐化できないのだ。
さらにその理論が作業仮説という
デスクトップ上( desk top theory)に存在する限り
まだ原理ではないのだ。
これらの操作の過程で
原理の発見は偶然にやってくる。
偶然はまだ構造のように記号化されていないからだ。

再び操作主義へ

秩序から生まれた操作方法が
さらに次なる秩序を生み出すのではなく、
操作主義から発見された秩序が
さらなる操作方法を生み出すのである。
この客観的な操作主義は
科学テクノロジーではなく、自己のテクノロジーに属する。
それは1000万人に一人の割合で経験されている。

「既製品を使え!」

バックミンスター・フラーは、唯一命令形の言葉を残している。
その命令を完全に遂行したプロジェクトはこれまで存在しなかった。
その理由は彼でさえ、完全には成功していかなったという事実で十分だろう。
しかし、工場から出荷されたままの<デフォルト群>が
21世紀の予測的デザインサイエンスによって生み出される
<トリムタブ>の完全な構成部品になる可能性は
バックミンスター・フラーの時代よりは比較できないほど高まっていた。
異なった複数の既製品を矛盾なく統合するには
既知となった機能との葛藤や
新たな用途開発への混乱をもたらす断片化と
頻繁に闘わなくてはならないだろう。
葛藤や断片化はデザインの不足よりも
関係性の発見の不足から生じているからだ。
産業化における量産とは
原寸大プロトタイプという原型の再生産であるが
量産された既製部品からなる
デザインサイエンスの<トリムタブ>においては
もはや構成部品のいかなる複製も不要になるだろう。
<トリムタブ>では
重さのない新たな機能が複製されるだけである。
その機能はどんな既製品の個別の機能からも予測できなかった
包括的システムから生まれる。

エネルギー、食料、シェルター

バイオスフィア内で都市部に定住する人類はより増加している。
火星移住計画は準備されてきたが
バイオスフィア内で25年間も頻繁に移住できる
シェルターはまだデザインされていない。
新たなシェルターが現れるには
ライフスタイルの選択からではなく
古い概念がすべて終わらなければならない。
バイオスフィア移住計画には
分離または隔離しても自律できる
エネルギー、食料、シェルターの個人による
製造方法の確立が必要だ。
われわれは再び生産者になるのである。