構造とパターンの探究は
どの時代にあっても
もっとも初源的な科学的行為である。
先験的に、動的に統合された構造とパターンこそ
つねに人間の求める有用さ(utility)に関係している。
月別アーカイブ: 2014年5月
複製モデル
一定の範囲で変形して元に戻るだけでは
テンセグリティモデルにはならない。
張力材ではなく、弾性のあるを弾性体を使用して
2点間距離を変動させているだけの3Dモデルは
テンセグリティモデルではない。
張力に対する間違った概念によって
テンセグリティの破壊に対抗する外力分散機能という
真の動的なシナジーはまだ理解されていないにちがいない。
テンセグリティの定義(=不連続な圧縮材を連続した張力材によって
統合した張力構造体)と
それを再現するプロトタイプ(=母型としての鋳型)によって
実に知的な先験的な<構造とパターン>が発見されたのであるが、
美的な範疇に閉じ込めるための
自惚れた思考パターンにすり替えられてきた。
この混乱は、テンセグリティ原理を
リアルなユーティリティに変換する前に
魅力的な形態の手っ取り早い模倣によって
世界中に拡がってしまったのである。
続)複製モデル
知的に装った無知(darkness)ほど
複製されやすいものはない。
自然に対する無関心さは
無限に掛け替えられている。
続2)複製モデル
テンセグリティのリアルなユーティリティへの変換を
もっとも怖れたのは、建築家と彫刻家である。
彼らは軽量化と量産に無関心である。
生活器(livingry)
固定によって安定するすべての構造は
<大地>に自重を流している危険な構造と言える。
その<大地>とは、そもそも
不動を前提にした作業仮説であるから。
免震装置も、耐震装置も
構造に付加されたそれらの自重を支えるのは
割れない沈まない地盤である。
構造とパターンを理解せずに
ただ構造を安定させたい結果、
ジオデシック構造でさえ
移動できないように過剰な物質で固定されてきた。
<構造>が太陽系の軌道間を移動する場合、
科学的な安全率と単位体積あたりの重量計算は不可分である。
そして、<構造>が大気圏内を頻繁に移動する場合は
さらに空気力学的で熱力学的な配慮が加わる。
<構造>が強度と剛性を損なうことなく
最軽量にデザインされたテンセグリティ構造以外に
<生活器>の信頼できる構造は存在しない。
この<生活器>が
最初の移動するもっとも安定した自律的<構造>である。
続)全方位
シナジェティクスの<モデル言語>は
内部と外部の相互作用から生まれただけではない。
惑星地球を外部から見る行為と
その内部から宇宙を見る行為との
表裏とも720度の全方位の
非同時的視野角から生まれている。
例えば、同一のベクトル平衡体を
外部と内部とも720度の全方位から
異なる記述で表すことができる。
全方位
産業革命から工場労働者には
注意深く迅速に反復する動作が求められた。
政府は無数の学校を建造して
こどもの学習も模倣と反復から始める教育がはじまった。
しかし、コミュニケーションの方法を学ぶことは含まれていなかった。
遊びによって
こどもはコミュニケーションの方法から理解し始める。
さらに、必要性からコミュニケーションの方法を考案するには
模倣と反復による生産性からではなく
他者性が必要である。
こどもは最初の<言語>を作り出すのだ。
第3次産業革命(=デジタル情報革命)以後も
<言語>はつねに教育の外部から生まれている。
工場労働者の末裔たちは
内部的なデフォルト<言語>にまだ無関心である。
続)習性(habit)
必要なものを自分で作れない習性(habit)こそ
犬のしっぽに犬の散歩を頼むシステムを維持している。
習性(habit)
動植物の場合は、生息地(habitation)は
習性(habit)が反復して形成される環境である。
欲しいと思うものを買うシステムは
必要なものだけは自分で作れない習性(habit)によって維持される。
たとえば、エネルギー、食料、住居。
消費は、もっとも簡単な習性の模倣である。
そして、知的産業社会では教育も消費に含まれる。
エネルギー、食料、住宅、教育を買う習性を
哺乳類では人間だけにしたいのだ。
その権力構造(Power Structure)が
けっして模倣されないように。
無知転用
核兵器の開発には
核兵器に転用できる原発が必要であった。
その原発の開発に税金を投入するためには
エネルギーの欠乏と
エネルギー危機が存在しなければならなかった。
原発の爆発後も、
原発の存続やエネルギー戦争には
人間の<無知>が不可欠である。
<無知(darkness)>は
専門分化によって
目のない<常識>に転用されている。