すべてを疑って聞くことが知的だと思っている学生がいる。
なぜそのような態度に決めたのかと質問したら
こどもの時に親からそう教わったと平然と答えるタイプだ。
その親の職業はほとんど知的な場合が多い。
単純で強い自己愛に包まれたまま静止している習慣を
自己の外から見ることは困難だ。
こうした凡庸な才能の形成には
両親の権威による刷り込みが影響しているのである。
何に対しても驚かない
そして、何も信用しないこどもは
誰からも信頼されないにちがいない。
天真爛漫に、ある物事に集中する時のこどもは
疑うことからほど遠い存在に
幾度も投げ込まれているのである。
それ以上の知的な瞬間があるだろうか。