月別アーカイブ: 2014年5月

企て

より少ない種類の核子から
92種の原子核を効果的に形成するために
自然は核子という安定したモジュールに到達した。
モジュールは分割された結果ではなかった。
部分と全体の絶えざる相互作用の結果でもなかかった。
なぜなら、
<部分と全体>はまだ存在していなかったからだ。
難問の解決方法は
問題を最初から分割するのではなく、
より操作可能にするために
問題を可能な限り全体から対象化する企てにある。
ほとんどの問題は
問題でない残りの部分から生成されるだけではなく
<部分と全体>がまだ存在していないことから形成されている。

想像力

複数の局が同じシナリオで
同時に流すニュースのほとんどは
出来の悪いフィクションではなく
笑えない冗談に近づいている。
語られぬ事実によって
真実を映し出す反時代的な想像力は共有できる。
想像力は、距離を隔てても
電磁誘導的にエネルギーを同時的に伝達できる。

逸脱

住居を得ようと思ったら、土地を買わなければならない。
食料とエネルギーを得ようと思ったら、金を使わなければならない。
発明を得ようと思ったら、頭を使わなければならない。
その発明を金に換えようと思ったら、法律家を使わなければならない。
原理を発見しようと思ったら、宇宙の法則を理解しなければならない。
つまり、自分と自分以外のすべてを初めて外から見るのである。
この完全に客観的な逸脱を制限する法律はまだ存在しない。

偶然

最良のモデリングが決定できるのは
熟考の末になされた結果ではなく
偶然にやってきた場合が多い。
新しい概念を内在したモデリングが
つねに単純な素材から構成されていることは
偶然ではない。

焚火

夕暮れ時から畑の傍で焚火を始める。
薪を積み上げて、熾火の遠赤外線が最高になるまで
しばらくの間、薪の燃える音に聴き入る。
熾火でこしらえた玄米は
広葉樹の極上スモークの香りがする。
最近の気に入った音楽を聴き
星空を見ながら仲間と酒を酌み交わす。
風がすっかり静まった時
鳥の黒い羽ばたきと交互に鋭い鳴き声が
低い夜空を駆ける。
湿度が低い春の夜には
遠くの谷間から雪解けの川沿いに獣たちがやってくる。
まだ草の生えていない柔らかい畑には
彼らの足跡が残されているだろう。

自己複製

静かに衰退と孤立化が進む過程では
友人は自己複製した一部ではなく
複製の手段になる。
自己が孤立化しないように。
そして
けっして、初期化されないように。

関係性(relationships)について

関係性は異なった出来事から構築される。
学習過程では
より多くの情報を取り込む習慣を
関係性の構築方法として肯定しがちである。
しかし、新たな情報に期待する必要がないほど
経験された事実はほとんど未整理のままである。
統合するという行為によって
出来事を外部化すると同時に
秩序は内部化される。
自然は諸原理を矛盾なく内部化しているが
人間が肉体的精神的に束縛するものを減少させるために
自然を利用するかぎり、
自然はいつも外部のようにふるまう。