月別アーカイブ: 2014年12月

生活者

移動販売のラーメン屋よりも
移動販売車を販売する方がつねに利益がある。
ラーメン屋はそれに気づいていても選択肢がない。
たいていの人は、詐欺師のような仕事で稼いでいる。
そして、教師のための教師、保険屋のための保険、修理屋のための修理、
種屋のための種屋、ボイストレーナーのためのトレーナーなど
管理者の管理、指導者の指導は階層的に続く。
科学的研究と実践の乖離を口実に
生存に必要なテクノロジーがますます独占されていく時代に
価値を生みながら生活することは、もっとも困難なことだ。

自由度

張力こそは、短すぎて不要になった骨格材を
第一級の構造に導いてくれる唯一の道である。
構造に振動という完全な自由度が与えられた
テンセグリティは
非正規雇用された圧縮材だけで構成される。
テンセグリティは
建築家(architect)という構造の支配者には
つねにアナーキー(an-archy)である。

どの美術館にも、どのスタジオにも
美しいテンセグリティが展示される日は来ないだろう。
植物の種子のように風に運ばれて
光とともに大地にインストールされ
夜空を見ながら、畑と共に平和に暮らす
シェルターの時代が終わるまで。

消費税

いらないものを買い
オークションではいるものを買う。
インターネットでは
つねに消費税を2度払う人が増えている。

デザイン

テンセグリティモデルの美しさは
モデル言語の理解度から生まれる。
テンセグリティシェルターで美しければ、
それは構造とパターンと物質との調和の美しさだ。
構造とパターンの物質への変換テクノロジーは
シナジェティクスとデザインサイエンスとの
相互作用から生まれる。
デザインとはその相互作用を発見する仕事である。

所有

健全な人間に過剰な現金を贈与すると
やがて高級車を乗り回すようになるだろう。
経済的に困窮した男に高級車を与えると
その男は富裕層の気分になれる。
しかし、どちらも本当の金持ちが
車も土地も所有していない現実を
見ようとはしない。
いつでも買えるほどの富を信じていないから。
現実は所有欲から生まれない。

変動

不動とは時間のない概念である。
未来永劫を前提にして生きる欲望から生まれた。
その空虚がバレると、偶然に見せかけた経済の変動によって
人々は未来までも搾取されている。

破壊実験

構造がわかるのは
構造がデザインしたとおりにできた時ではない。
構造が破壊された時だ。
すべての航空機は破壊実験の後に飛行している。
住宅はもっとも危険な方法でデザインされている
もっとも高価な製品である。