そもそも軍事技術は非同時的である。
これまで軍事技術が民間で一般化するのは、平均30年後であった。
外洋上の兵站線で、
兵士の新鮮な食料を長期間保存するための冷蔵庫は
第1次世界大戦中のアメリカの海軍でより実用的に開発されたが、
100万台以上の冷蔵庫が一般家庭の台所で普及し始めたのは
1927年以後である。
現代の優れた軍事技術は特許出願されていない。
特許出願後に、特許審査請求の有無にかかわらず
特許公報で世界中に公開されるからである。
(例外的に、原爆の製造技術は第2次世界大戦後に
イギリスで特許出願されているのは、アメリカの覇権に対して
世界権力闘争内部での抗争だったにちがいない。)
この非同時的な戦略は、独創性の拡張よりも
より敵の殺傷能力をもった秘密裏の兵器生産の必要性から生まれている。
グランチの非同時的な戦略は
各国の特許制度を確立する前に確立されている。