月別アーカイブ: 2016年2月

移動パターン

労働力が不足している場所に人口を配分する以上に
過剰な都市人口を養う食料とエネルギーの不足を
意図的に分配する資本主義の狂気を扱う心理学はまだ存在しない。

人類全体を生産の循環の中に位置づけるイデオロギーもまだ存在しないが
部品生産とそのアセンブルシステムを
全地球的に位置づける物質の移動パターンは
よりダイナミックに進化している。

たとえば、PCや自動車の組立パターンが
かつて船舶の組立と同じようにコピーされてきたように
移動しながら、工業製品をより効果的に完成させる場合の
加速度的な生産性を最初に分析したのは
バックミンスター・フラーのデザインサイエンスである。

<クリティカル・パス>は、
デザインサイエンス革命の方法序説である。

有用性(utility)

テンセグリティが実用性に対して望ましい構造でないとするなら
別のテンセグリティを発明するか
さもなくば
テンセグリティに代わる何か別の構造を発見しなければならないだろうと
考えたのは1972以後であるが
テンセグリティ以上の構造は発見されなかった。

そして、その12年後、大気圏外からきた隕石からも
バックミンスター・フラーレンが発見された。

その自然の構造は、不可視の段階において
テンセグリティの最大の有用性(utility)を現実化している。

例えば、超伝導性、半導体性、磁性において。

数学的自然

構造とパターンの発見者であることを自認する科学者たちが
構造の革命や認識論の学派である以上に
バックミンスター・フラーによって実証された
メタフィジックスとフィジックスとの断絶と統合を
いまも乗り越えることができなかった事実と向き合う時に
シナジェティクスを学ぶこと以外の可能性はあるのだろうか。

ナノチューブやフラーレンの構造とパターンの
数学的な分類方法からも
こうした可能性と限界は明らかである。

数学的自然には
自然から構造を学ぶよりも
自然を構造化する方法が存在する。

レイマン

シナジェティクス原理に言及している論文や本からではなく、
また研究室やスタジオではなく
原理が誕生するモデリングの現場において
シナジェティクス原理の誕生に立ち会い
その爆発力を確認できたなら、

原理の存在の証明にために
シナジェティクス理論の開発者としてよりも
原理が導くデザインサイエンス革命の実践に
再び立ち向かうのである。

レイマンとしてレイマンたちと共に。

主体的個性の役割

シナジェティクスは
数学、物理学と
経験科学としての生物学と言語学
そして
メタフィジックスを含むばかりか
<クリティカル・パス>という
人間諸科学を包括した最初の科学哲学によって
認識可能なもの、なすべきこと、
実現可能な物理性と経済性を決定するために使用される。

この決定に主体的個性が関わる役割はほとんどない。

なぜなら、主体的個性が宇宙の中に存在する動機とは
依然無関係であるからだ。

生産性

より高い生産力を獲得するために導入された
PCによる労働は
一層の密度を増すにしたがって
あらゆる生産力をさらに高める方法を導入し
絶えず応用せざるをえなくなったばかりか
それによって最小限の生活の質さえ
より近づきがたいものとなる事態は
より高い生産力を支える富の分配において
民主的な方法が導入されないように
デザインされているからである。

つまり真の<生産性>は
なにひとつ変化していないのである。
ーーーー労働が死の恐怖を呼び起こすかぎり

労働者が<生産性>という概念を教育されたのは
第2次世界大戦後だ。

働かない時間を生むための真の<生産性>
という概念が工場内で共有される前に。

見ることすらできないもの

「構造」という名詞の背後に隠れているものを
一つ残らず解放しなくてはならない。

バックミンスター・フラーは
その手段を<modelability>と名付けていた。

<modelability>をどう日本語化するか以上に
それなしでは
見ることすらできないものこそが
モデル言語である。

ありふれた言語の
予測できない結びつきの中に
<modelability>は現出する。

70年代のバックミンスター・フラー

70年代のバックミンスター・フラーの
ジオデシックドームやテンセグリティの分析・解釈から生まれる
追従者のカウンターカルチャーは、依然
優柔不断な悪しき三角形主義の中に取り込まれたままでいる。

バックミンスター・フラーの分析・解釈から生まれるよりも
自然のジオデシック構造やテンセグリティ構造は
無数にあることを
発見し認識するがシナジェティクスである。

バイオシェルターによる稲作

他の天体への移住計画や宇宙開発は
つねに圧制や課金の手段、そして隠れた抑圧の道具と化す。

映画「オデッセイ」では
自家栽培したジャガイモで食い繋いでいくシナリオによって
貧弱な農業生産手段でしか
サバイバルできなことを刷り込まれるのだ。

火星で稲作ができなければ
火星での人類のコロニーの発展は期待できない。

水も空気もない火星でこそ
バイオシェルターによる
稲作のシナジー的食料生産性と自律性が証明できるのだ。

排泄物から水を完全に再生する技術は
火星計画を推進するNASAにはまだ期待できない。