日別アーカイブ: 2016年5月1日

安全率(safety factor)の破綻

建物の破壊の現象に対して
権力の対応が構造計算の中に挿入される場合
その証明は、実物大の構造の破壊実験によって初めて確定される。

しかし、破壊実験は
起こりうる地震の規模と諸条件を想定してなされている。

その起こりうるとは
起こりえないことを除外した条件では
破壊実験はけっして実施されないことを意味する。

過去の大規模地震のほとんどすべては、
起こりえないことを除外したその条件で発生している。

M7が短期間に2度発生するだけでも
権力の計算する安全率(safety factor)はすでに破綻している。

権力の計算する安全率(safety factor)の確立にかかるすべてのコストは
税金によって賄われているが
その安全率を想定するプロセスの民主的な可視化は
その専門性によって完全に非公開にされている。

権力の構造への対応は、科学性を欠いた専門主義によって
むしろ権力を維持するエネルギーに変換されている。