建築構造は、自立するために大地に依存しながら
外部エネルギーとひたすら闘うという設計方法を変えない。
故に、風雨や積雪に耐えても、振動し移動する大地の巨大なエネルギーと闘う方法を持たない。
したがって、倒壊した建物で人が圧死する構造を、人々は非科学的構造とは考えてない。
(家電やコンピュータの漸進的変化に比べて、
住宅や都市の構造の変化がきわめて緩慢なのは
建物が高価すぎるからである。)
外部のどんなエネルギーも享受する機能によって
自己を構成する要素間の共振(または共鳴)状態に変換するかぎり、
構造は自己充足する自律性を獲得する。
いいかえれば、外部からのエネルギーが構造を通過する過程で
そのエネルギーはその構造をより強化するのである。
自立のために大地の振動エネルギーさえも利用できる構造は、
テンセグリティ構造以外には存在しない。
テンセグリティ構造は発見された宇宙の構造原理である。
共鳴型テンセグリティ構造は、地表のどこにでも着陸可能な宇宙船である。
その宇宙船内部では植物の光合成を利用できる。
植物というエネルギーを自律生産するモバイル・テクノロジーと融合することは
現在の都市や住宅よりもはるかに科学的で自然である。