日本の川船は、
異なる川毎に、そして異なる流域毎に、
異なる船体のデザインが存在する。
アジア全域がそうだったに違いない。
船大工は、現地調達の素材と多様な川に適応した道具を作るために
海からやってきた派遣技術者である。
地産地消のような定住のための閉じた社会からではなかった。
優れた船大工は、図学を持たなかったが、指矩(さしがね)を使う。
彼らは三角関数の達人である。
そして、船体の傾斜などの組み合う長さを計算できるデザイナーだ。
アジアで、かつて移動し生存するための道具を作る民が
その技術を学ぶための学校を作らなかったのは
聞いて出来ること、見て出来ることは僅かだったからに違いない。
☆船底や船腹の平板材の相互結合に、接着材をまったく使用しない防水方法がある。