つねに自然は一つでありながら
メタフィジックスとフィジックスの異なる階層に対して
シナジー現象を引き出す課題に、
絶えず挑戦するデザインサイエンティストが、
固有の経験を秩序づけ、自ら変容していく過程でそれらを解決できる場合は、
惑星地球での他者のより有利な生存条件とその方法を拡大する目的で、
群れから遊離し、孤立して、
なおも<思考を声にする>単独者に限られる。
それは、非人格的なコスミックな遠隔操作なのだ。
つねに自然は一つでありながら
メタフィジックスとフィジックスの異なる階層に対して
シナジー現象を引き出す課題に、
絶えず挑戦するデザインサイエンティストが、
固有の経験を秩序づけ、自ら変容していく過程でそれらを解決できる場合は、
惑星地球での他者のより有利な生存条件とその方法を拡大する目的で、
群れから遊離し、孤立して、
なおも<思考を声にする>単独者に限られる。
それは、非人格的なコスミックな遠隔操作なのだ。
バックミンスター・フラーの最晩年のプロダクトの一つである
モノコック的デザインに徹底化した<フライズ・アイ>は、
彼の住居に対する最終課題への方法であったが、その現実的な生産手段(カーボン材を使用するための金型費とその素材費)は、21世紀に於いてもまだ高価すぎるのである。
<フライズ・アイ>の金型成型を、 3Dプリンターでヘッジするまで
<フライズ・アイ>の量産化への投資家は、存在しないだろう。
最晩年のバックミンスター・フラーが開発した
初期のアウトドア用のテンセグリティシステムによる
テントタイプ(=NorthFace Tent)以外に、そしてそれ以上に
耐久性に富んだ、全天候性のモバイルを基本とした
経済的なモバイル居住用テンセグリティシェルターは
まだ開発されていない。
不動産ではない移動可能な住居が
クリティカル・パスの最終課題として受け止められたならば、
<フライズ・アイ>のモノコック的方法か、
<テンセグリティ>の超軽量化かが選択されるだろう。
この選択肢は、彼が<複数の卵を一つの巣>に生まなかった
予測的デザインサイエンスがもたらした優れた結果である。
無管、無柱、無線、無軌道によるもっとも現実的な生存方法は、
都市のインフラを完全に排除することによって、
より経済的に長期的に<自律的な自由>を拡張できる方法として理解できる。
最終的なデザインサイエンスの課題は、
テクノロジーの推移に鋭敏な投資家たちの不在ではなく、
彼らを不要とする科学的、数学的な生産方法の発見とその開発にある。
<フライズ・アイ> 直径15m 高さ12メートル,総重量は3000kg
純粋な構造システムの実験は
バックミンスター・フラーの時代に、
十分にそして、ほぼ完璧に追求されている。
しかし、彼は<複数の卵を一つの巣>に生まなかった。
実際、その実験は300例を超えていたのを、
私は、フラーの全クロノファイルのアーカイブを
2ヶ月間かけて閲覧して確認した。
フラーの絶えず変容する構造実験によって、
編集されて生成されるタグ(=複数の巣の互いに異なった名前)と
それらを包含するアーカイブが
フラーの死と共に閉じてしまったがゆえに、
クロノファイルに眠る、それらのまだ接続できていない情報群に
新たな秩序を与えられるデザインサイエンティストは、
現在のフラー研究所には不在である。
研究し、開発し、プロトタイプを生成しない
アーカイブ内部に精通した情報探査方法から、
どんな卵という動的な<フィジックス>も生まれない。
素材の変革は、イノベーションの専門家が夢中になるだろう。
形態の革命は、投資家をうっとりさせるためのデザイナーの手段になるだろう。
それゆえに、人々の生活を短時間に、少ない時間とエネルギーコストによって
豊かにするデザインサイエンスは、つねに不在であった。
包括的なデザインサイエンティストにとって、デザインサイエンスの課題とは、
物理的状況に制限されていながらも、対応可能な問いかけとして繰り返し現れる時に、
それらの困難さに挑戦するためのマインドの独自な反応であるが、
その局所的な差異において、つねに矛盾していると思われる課題である。
数学的に、物理的に、経済的に、
そして、しばしば、概念的に、哲学的に。
互いに対立し、最終的に一方が他方を打ち負かすために、
互いに異質な二つの相互関係(twoness)は、
イデオロギーの場合、意図して作られた<現実(リアリティ)>だった。
これ以上の幻想は存在しないにちがいない。
宇宙では、互いに対立し、互いに異質な存在は、
相補的に統合されている。
電子と陽子からなる原子核構造や、
張力と圧縮力からなるテンセグリティ構造など、
互いに異なる非鏡像的な異質な二つ(twoness)から形成されている
その例外がない現実から、日々の生存が始まる。
分離した異質な二つ(twoness)は、
互いに対立する方法ではなく、受容し統合する方法の始まりなのである。
飛行場に着陸した飛行機の機体は、巨大地震に対しても安全であるが
飛行時は、さらに安全である。
住居の安全に対する構造に関する観念や概念は、
建築学が扱う形態の中だけで作られてきたものだと考えざるをえない。
静止した物体を前提にした設計方法と法律は、もはや時代遅れである。
複葉機からジェット機までの僅か40年の懐胎期間で
航空力学は、宇宙に着手したのである。
違いを求める思考の個性化(Think different)から
独創性(オリジナリティ)を求める方法がある。
独創性を賛美する消費者によって。
個性化は、個性を自負したい人々が
独創性を去勢するための選択肢である。
独創性は、創造性とは異なる。
独創性は、人間が人間を超えたい時に、
真の創造性の存在を排除し、
独創性を所有させる一時的なイリュージョンなのだ。
創造性は、宇宙に属する永遠のテクノロジーだ。
人間が人間になる前の。
都市での労働や健康という概念、コストと耐久性との対比、国家が定義する耐震性、
そして食料とエネルギーを貨幣で買う経済システムの優位性の否定から
始めなければならない。
銀河系での惑星地球システムの希有な優位性と
バイオシェルター内部での
植物の光合成によるエネルギー経済が忘れられているなら
モバイルテンセグリティの現実的な居住空間は存続しない。
シナジェティクスは、原理の発見から始まらない。
言語の境界と、概念の超えられない限界とともに
始まるのだということを
反復する物理的モデリングから開始される。
シナジェティクスは、その境界と限界の
非同時的な発見から始まる。
自然はテクノロジーである。
テクノロジーとは、自然自らの受動性の否定である。
シナジェティクスは、受動性の否定から始まる。
それがモデリングである。
モデリングのプロセスに、自然の原理を潜ませているのは、
自然のテクノロジーの特徴でもある。