フラーレンとナノチューブ、そして細胞とシェルター

もし、テンセグリティが発見されていなかったとすれば、
フラーレンとナノチューブ、そして細胞とシェルターは、
それぞれが特殊な形態として存在していたに違いない。

さらに、自然とその概念をささえる思考が
どのように形成されたのだろうか。

テンセグリティが発見されるまでの世界の科学哲学史に貢献する
圧縮材が不連続な構造を統合する連続する張力材にまで
抽象化された思考を共有する科学的・数学的・哲学的コロニーは、
孤立し遊離しながらもバックミンスター・フラーが練り上げた独自のコロニー以外に
いっさい存在していない事実を除外したならば、
フラーレンとナノチューブ、そして細胞とシェルターを、それぞれ
もっとも少ない物質と時間、そしてエネルギーで形成する同一の構造原理への理解は
他の惑星で展開されていたただろう。