月別アーカイブ: 2017年4月

見せかけの構造の起源

圧縮材による圧縮力を中心にした構造の起源には
狭い洞窟での長い抑圧がある。
——安全な夜と引き換えに。

つぎに、城壁における固体による防御技術から
始める戦争の歴史がある。

そして、墓石の下の大地に埋めた人体の骨に対する
見せかけの永続的な物質観が
それらの抑圧と防御を持続させ助長したのである。

圧縮材は、つねに重く、固定的であるが
大気圏外では、圧縮材は可能な限りモバイル可能な張力材に置換される。
(あるいは、鳥の骨のように
飛行のために編骨という軽量化された非周期性で非対称なトラス構造に変換される。)

宇宙空間では、圧縮材からなる構造ほど、高価で危険なものはない。

自律性と目的意識(know why)

生存のための空間形成方法と自己規律に関する形成方法は
建築や医療、教育、心理学などの専門性にそれぞれ分断されることで
その自律性と目的意識(know why)に関して重要な部分を失ってしまった。

こうして、構造の自律性は、いまも大地に依存したままである。

生存のための妥協

生存のための構造は、経済的な妥協と不確定な安全性によって置き換えられ、
宇宙の統合的機能を不明瞭で交換不能なものにする。

大気圏内に、例外的に裸で生まれてくる人類に
これ以上の妥協があるのだろうか。

住宅の様式における、生存のための致命的な妥協は
思考と行動へのもっとも安価な矯正装置となる。

余剰生産

権力構造によって、余剰生産に従事し、
余剰を追跡することでしか
もはやリアリティを生産することができないのだろうか。

先験的な構造とパターンを受容するためのリアリティは
テンセグリティ・シェルターの天窓から降り注ぐ星々からやってくる。

圧縮力のみからなる権力構造の余剰生産方法から
そのシェルターは生まれなかった。

贈与装置

計画的なエネルギーと食料の欠乏、または高騰が
富の衰退であり、貧困化と産業の緩慢な死を伴う。

貧困救済の方法は、贈与によって格差の方法に転換される。
受け取ると危険なものになり得るからだ。
返礼の義務が権威や社会的な地位を失わせるのだ。

構造とシナジェティクス

人間は構造をデザインすることは
不可能だというメタフィジックスが
建築から退化したのは、
構造を思考するのではなく
発見するという驚くべき体験が
観察からではなかったからだ。

構造から「私のデザイン」が消滅する瞬間を受容するのは
シナジェティクスである。