月別アーカイブ: 2017年5月

無誘導で飛行する弾道ミサイル

お金がお金を生むゲームさえも経済学にしてしまった結果、
「破綻する経済学」(グローバリズム)を受け入れるために
周到な準備がなされてきた。

「破綻する経済学」は、核武装することで
恐慌時の共産主義からの攻撃と破壊工作を防御しなければならない。

大陸間弾道ミサイル(ICBM)を配備している
アメリカ合衆国、ロシア、中華人民共和国によって、
イギリスは、モバイル型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)によって、
戦時と平時の間の「破綻する経済学」を、持続してきたが、
グローバリズムとそのデフォルト時へと共に誘導する主導権は、
弾頭だけが慣性により無誘導で飛行できる弾道ミサイル
すなわち、小型で安価なICBMの配備によって確立される。
(日本の基地は、大陸間弾道ミサイル用の核弾頭の最重要な保管場所なのである。)

無誘導で飛行できるICBM開発が、
誘導型経済と対称的な経済性を備えているのは、
超長距離を飛行するためICBM楕円軌道が、
遠隔の無線誘導ではなく、自然の動的な幾何学的軌跡から生まれたからだ。

遠隔の無線誘導では、即時多数発射が不可能であるばかりか
サイバー攻撃を受けやすいので、
最終的な弾頭だけは、慣性により無誘導のまま飛行する自律性を備えている。

合成と統合について

水が酸素と水素から<化合>できるが、
水素と酸素とを体積で2対1の割合に混ぜただけでは水はできない。
これらの気体を同時に着火して爆発させると水素も酸素も消失して、はじめて水ができる。
水素と酸素が相互にはたらきあって、結合して水になる。

テンセグリティは、紐と棒から<合成>できるわけではない。
テンセグリティは、その<合成>過程で分子間引力という張力の概念と
圧縮力を不連続にする分断の概念とその物理的操作を必要とする。
圧縮材と張力材が相互に働き合うように意図的に操作しなければ
テンセグリティモデルは形成できないのは明らかである。

紐と棒から単純に<合成>されるだけなら
プラトンやアルキメデスのギリシア時代に、
あるいは遅くとも、ヨハネス・ケプラーの時代に発見されていただろう。
球に内接するプラトン・アルキメデスの多面体の頂点の配置を
テンセグリティを構成する多面体の頂点の配置と一致させることは可能だったはずだから。
あるいは、ケプラーの多面体で球に内接する
正多面体の内部の対角線(=テンセグリティの圧縮材の配置パターン)は
十分に駆使されたはずだから。

20世紀になってはじめてテンセグリティが発見されたのは、
<化合>でもなく<合成>でもなく、
自然を模倣することなく構成物質と概念(=引力)を
意図的に<統合>した操作主義の結果なのである。

しかし、テンセグリティに動的な均衡を生成する外部からの振動が絶えず与えられ
自らの構造をより強化して自律するデザインは、発見者の意図と操作を超えていたのである。
テンセグリティは、基本的な<構造の概念>を操作主義的に定義した革命的なモデルである。

自然による統合方法の発見とその体系化は、
バックミンスター・フラーの<シナジェティクス>である。

張力が不可視な動力学的なモデル

ベクトル平衡体やテンセグリティのような動力学的なモデルは
古典幾何学における<面、点、線>の関係からは記述されない。

シナジェティクスにおける記述の突然の変化は、
幾何学の探求者と対象化されるモデルとの関係が完全に変化したために生じた。
動力学的なモデルは、時間を含むからだ。

シナジェティクスのモデル言語は
この関係を捉えようとするために生成される。

プリンストン大学時代のアインシュタインは、
テンセグリティモデルを原子核モデルとして理解していた。

その自然学なくして、バックミンスター・フラーレン(Buckminsterfullerene)は
出現しなかっただろう。
フラーレンは、張力が不可視な共有結合・分子間力となることで
構造的に安定する極小のテンセグリティモデルである。

この張力が不可視な動力学的なモデルは、実験室で人工的に生成される前から
隕石の中には無数に存在していたのである。

テストパイロット

実験(experiment)と経験(experience)は、類義語である。
experi-とは、外部から試すしたり、調べる行為を語源としている。

繰り返して試したことによって獲得された知識群は、
つねに安全な外部にいる専門家(expert)を必要とする。

破壊実験を遂行するほとんどの専門家たちは、つねに安全な外部にいなければならない。

1903年に飛行機による有人動力飛行に世界で初めて成功したライト兄弟は、
世界最先端のグライダーパイロットとして機体設計に携わったが
同時に動力飛行機の最初のテストパイロットでもあった。

安全率(safety factor)が計算可能となった後の外部の専門家たちは
けっして内部の最初のテストパイロットにはならなかったのである。

絶えず更新される内部での実験(experiment)と経験(experience)こそが
宇宙のテクノロジーを最初に媒介する。

破壊実験

航空機も自動車も、
破壊実験によって最終的な安全性を含む全性能が確立できる。

核兵器もこの破壊実験によって、目的とする破壊力が確立されている。
(広島と長崎での被曝実験によって、核兵器はより改善された。)

航空機や自動車の破壊実験に失敗がないように
あらゆる核実験や弾道ミサイルの実験に失敗はない。
(実際、遅れて核軍備する国が、もっとも少ない実験で、最短時間に核武装している)

予測性能は、実験毎に向上するが
学校教育では、失敗や破壊を回避する思考回路が形成されている。

最悪の情況に対応する経験を伴わない思考回路の
安全率(safety factor)が低下している場合、
その群れは、少ない力でもっとも従順に支配される。

革命的な自己教育システム

1961年当時9歳だった私は、
文部省指定の教科書がいっさい使われないまま、子供が子供を教育する
教育実験プログラムの指定校(公立の小学校)に通っていた。

子供は、数学や生物学を、そして工作を自力で学んだ。
つまり、無数の間違った情報とその間違いを是正する方法と共に。

私のランドセルには、ノートと重すぎる百科事典しか入らなかったが
教師を不要とする子供の自発的で自律した学校生活は、
私の子供時代のもっとも幸福な時期である。
級友たちは、アメリカが指導していたその革命的教育実験の証言者たちである。

しかし、自己教育の理論化には不可避だが過激すぎると批判された
この教育実験はアメリカ国内では禁止されていた。
この実験は、廃墟の後のインフラ無きヒロシマでのみ見事に成功したのである。

この非凡な包括的なプログラムは、教職員組合とPTAの常識によって、
現在の義務教育で再び採用されることはないだろう。

1981年に私の師となったバックミンスター・フラーは、
もっとも優れた自己教育の教育理論家だった。
彼は、私の単独者のシナジェティクスの開発方法にとても興味を抱いていた。

シナジェティクスは、フラー自身の自己教育理論の集大成でもある。
子供は、シナジェティクスの学習によって
自己規律的・自己教育システムを自発的に始動させることができる。

規律訓練

忘れてはならないのは、

アメリカの占領下で優れた民主主義教育が遂行され、
アメリカの基地で核を保有する奴隷的な支配下で、
自由の制度の構築が謳歌された事実である。


1964年中国は、アメリカおよびソ連の核への抑止力としてアジアで初めて核兵器を開発し、
アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5か国による
核軍備が完成した21世紀の冷戦後の軍備化において、
属国的な経費役割分担に始終する日本では、
規律訓練という戦時下の理念的図式を露わにしたことである。


その結果、日本における民主主義的な教育投資と自由の制度の構築は、
先進国では比較にならなほど意図的に遅延させられている。

貧弱な教育投資と長時間労働で、義務教育に従事する教師たちは疲弊し、さらに
管理された規律訓練によって、すぐれた革命的教育プログラムはほとんど理解されていない。