黒い最短距離(再録)

黒い雨は、元安川の水と放射性物質から生成されている。
2010年8月6日 犬のしっぽから引用

ピカドン(ヒロシマ原爆)で
一瞬の内に焼かれて吹き飛ばされたという。
しかし、次の瞬間に大量の人間が
川の水と建物の破片とが一緒に吸われて
上空に螺旋を描きながら
成長して黒いキノコの笠を開こうとしていた。

巨大な核エネルギーは最短距離を選んだのだ。
原爆で吹き飛ばされたのではなく吸引されたのだ。
大量の放射性物質は1時間後には上空一万メートルまで上昇した。

これが黒い雨となって
夕立のように激しく降下した。
ヒロシマ平和記念館で今日も上映されている原爆の瞬間のCGは
科学的に根拠をもたない黒いキノコの成長である。

これらを監修した物理学者たちは
原爆を巨大なダイソンの掃除機と見立てていないようだ。
つまり、吸引と排気が動的に均衡したトルネードと
同じとは考えていないのである。

この兵器は2種の機能から成り立っている。
核爆発エネルギーによる大量殺人と
大気圏を利用した放射性物質の吸引とその効果的な拡散である。